10年近く前の話です。
当時、幼稚園児だった次男を、家のそばの山に連れて行きました。
その山は公園や展望台があり、春は桜を見るためにいつも訪れる私にとって好きな場所です。
ランナーのつもりだった頃は、よく坂道の練習に走っていた慣れた場所でもあります。
国道に面したところに登り口があったので、探検気分で初めてそこから登ってみました。
そのルートはひっそりとして、とても寂しい雰囲気でした。
進んでも進んでも誰一人として人と会うことがありません。
そのうち、得体の知れない恐怖感に苛まれました。
ここは来てはいけない場所なのでは?と。
殺人鬼が潜伏しているとか、首つり死体があるようなところに来てしまった感覚です。
子供に、「この先、何も無さそうだから、家に戻ろうか?」とニッコリ笑って告げると、子供は珍しく私の提案に従い、来た道を引き返しました。
結局、何もなかったのですが、あそこから登ることは、その一回限りです。
今日、知ったのですが、そこは心霊スポットで、稲川淳二さんも訪れていました。
しかも私と同じルートで登ったようです。
私は霊的なものを信用していません。
ただ、あの雰囲気の中では、存在しないものを自分自身によって、網膜に写してしまうことがあってもおかしくないと感じました。
真っ昼間だったけど、ホンマに怖かったです。
信夫山ぢゃ、ありませんよー