もうすぐ大学生になる17歳の春に、

過食症になった。

大学に向けての受験勉強に励む日々。

音楽大学への受験だった。

音楽大学に進む事は、

子どもの頃から音楽の英才教育を受けていたから

自然とそうなった。


本当に音大に行きたい?

それは自分の意思?

音楽が好き?


そんな疑問さえ感じず、何も自分の事が分かっていない事にも気づかず、


ただただ親の意見に流されて、

受験勉強に励んでいた。


ピアノや作曲や歌や

音大に向けてのレッスンに日々明け暮れる中、


食べても食べてもお腹がすくようになった。

こっそり食パン一斤食べた。

それでもお腹が空いていた。

炊飯器のごはんを全部食べた。

それでもお腹が空いていた。


毎日毎日、学校から帰ると、家中のものをあさって食べていた。

どうしてこんなに食べちゃうんだろう。


お腹がフグのように膨らんだまま、

それを鞄で隠して、

塾に行っていた。


そんな日が続き、体重も増え続けた。


卒業式の後、山盛りメニューが一押しの

パスタ屋さんに行った。

お祝いしよう、と友達と。

ナポリタンを山ほど食べた。

みんながびっくりして笑っていた。


そして帰宅して、苦しくて、

トイレで喉に指を入れて、

吐いた。


スッキリした。

こうすれば良いのか。


それが始まりだった。

16年過食症の幕開け。


何も何も分からない。

私の始まりの日だった。




ついに心に完全な穴が空いた日。

桜満開の春だった。