どこからか漂ってきた墨汁の匂い。


習字の先生でも乗ってらっしゃるのか…。


外は灰色混じりの白い空。空気は冷たい。

新雪ではない雪は少しずつ大気のチリを積もらせ透明感は余り無い。樹木の足元の雪が周りの部分より早く溶けるのは春に向けて根に養分を蓄える為に何かしらの熱的な物を持つ事が要因らしい。(遠い記憶は曖昧)。そんな風景を眺めながら乗車から3つ目の駅に到着。仕事、行けば楽しいのだけどもね、なかなか上手くスイッチの切り替えが苦手な性分。まだ体の奥に残った眠りきれなかった燃えカスがチリチリ燻ってる。そのうちいつの間にか燃え尽きてしまうのだけれども…。体の内側に残った眠りの余熱が掌から僅かに放出されてほんのり温かい。みぢかい足をようやく組んで座るベンチシート。あと10分程で目的地。電車を降りて少し歩く。


閑散期。