人の好みは十人十色・千差万別であり〼



では昭和のかほりを残す喫茶店を愛して止まない店主の原点とも言へる看板メニュウ、

「哀愁のナポリタン」

はもちろんのこと、さまざまなフードメニューと相性グンバツの謎にカフェ風の風貌である



「つめた〜い カフェ・オーレ」

この美味しくも洒落乙なドリンクとのベストマリアージュはどのフードメニュウなのか…

今回は10種を超へるスパゲッティメニュウと日本人の心である米を使用したメニュウの中より、ここ半年間にお客様から直接のお声を頂戴した2品の魅力を紐解ひてゆく。





「本当にレアなオムライス」

何故レアなのか、それはこだわりの強さからケチャップライスから作るとお客様を待たせすぎてしまうが故に仕込みを使ひきってしまふと提供出来ないという点が大きい。


ケチャップライスの他では経験出来ない味付け・癖になるソース・たまごの奏でるハーモニィには熱烈な愛好家を抱へる。

日本が誇る喫茶店における食の場面に欠かせない定番メニュウであるとゐうことも「哀愁のナポリタン」に通ずるものがあり、納得出来るのではなひだらうか。





「青唐辛子のスパゲッティ」

喫茶店狂の店主がとある場所で食して以来、定期的に遠出をしてもその味を求めたスパゲッティ。


品質が安定した青唐辛子の入手経路もなく、調理を断念してひたが、ある日店主は遂にそれの確保に至る。

あとはあの毎日でも食したくなる「あの味」の再現だが、何度試作しても再現は出来なかった。

しかし、諦めない心は時に期待以上の結果をもたらすことがある。

お客様に幾度もご助力も頂きながら本家とは違ふ、また別の趣きのある「旨ひスパゲッティ」が出来上がったのである。

商品化に要した時間は長かったが今ではスパゲッティの味はもちろん、マイルドなカフェ・オーレやお酒との相性がグンバツであると、立派な看板メニュウとしての地位を築いてゐる。


青唐辛子の持つ強烈かつ爽やかに後を引く辛味と、それに負けぬ出汁の旨みのハーモニィ、まさに「旨ひ」の一言。

すぐに2杯目が欲しくなる、実に不思議な一品である。




オリジンである欧米の食べ物を飽くなき工夫と探求の心で日本独自の食文化に昇華してきた、過去の偉大なる料理人の方々に感謝しつつ、これからも私なりの「美味ひ」かつ「旨ひ」料理を提供し続けたひと思ふ。