朝6時過ぎ

 

ホテルの朝食って、独特な雰囲気があって好きです。

しかし、私の勝手な考えですが、今、「いろんなところから来た観光客が

至近距離で集まる空間」というのは、どうなのか?という懸念があったので、

コンビニ飯にしました。

 

しかし、ホントに、マスクも消毒剤も除菌ウェットティッシュも売ってません。

 

品薄、品切れというのは、ネットのショッピングサイトの方が動きがはやいですね。

「実店舗だとまだ売ってるけど、ネットだともうない」という品があったら、

いずれ実店舗でもなくなります。

 

これでも仕事の日の朝食より、相当豪華。(いつもはパン1つと野菜ジュースだけ)

 

パンかじりながら、「一生に一度くらい、お茶屋さんにいってみたいなあ」と、

遠い目をするおじさん一人。

 

 

気を取り直して(?)、フロントに荷物を預けて歩き出します。

 

堀川通

ここは新しい道ですね。

 

災害用トイレとハト。

 

京都水族館の手前にあったのですが、災害時は貯留槽にためた雨水で流すようです。

 

東寺の横を通って、九条通(九条大路)を西へ。

 

 

九条葱屋さん。葱のいい匂いがします。

 

「さすが京都、葱屋さんがあるんだ!

 ・・・って、九条葱の九条って、この九条!?」

 

・・・気づくのが遅いのです。

ちなみに、この葱屋さんのクルマのナンバーが見事でした。

 

 

羅城門跡

 

えー、あの有名な羅生門(平安時代は羅城門)跡が、ここ!?

木にボールひっかかってるし!

 

寂れて、死体の捨て場になって、倒壊した後に立て直しもしなくて、

道長がお寺建てるために石持ってったり(そんなんでいいのか)、

ひどいことになっていたらしい羅城門。

 

滑り台とシーソーに挟まれて、休日は、子供たちがキャッキャと遊んでいるのでしょう。

世は平和になったということでございましょうか。

 

今は昔。

1000年時間を巻き戻せば、ここは朱雀大路の真ん中。

(耕したり、牛馬を放牧したり、盗賊の棲家になっていたらしいですが。)

 

 

東寺まで戻ってきました。

 

金堂

焼失したのを立て直して、1603年、関ヶ原の合戦後に完成とのこと。

 

私、正直、旅行先で名所と呼ばれるところにはあんまり行きません。

ホントに、興味があるところにしか行かない。

行った先々で、街の雰囲気が違うのが好きで、それを感じられれば十分と思っています。

 

(というか、平素、寺社仏閣に興味がある人って、ほとんど会ったことがないのですが、

 なぜ旅行になると、みんなこぞって足を運ぶのでしょうか。)

 

ただ、しかし、これはすごい。とんでもない。

超高層ビルなんて、もっとはるかに大きい建造物を見慣れているのに、

前に立つと、圧倒されます。

 

まあ、東寺の建物の中で、平安時代から残っているものは少ないようなのですが、

土地自体は変わっていない。それが、うまく表現できないのですが、果てしないというか、

なんというか・・・

 

ただ、ちょっと疑問なのですが、羅城門が荒れ果てていたように、平安京の南の方って、

かなり寂れてたらしいです。

ただ、東寺と西寺も一緒になって寂れていたわけもないでしょうし、どうだったのだろう?

 

 

犬矢来

 

前日の写真ですが、京町屋に独特な犬矢来というものがあります。

ネットで調べると、犬のおしっこから防ぐためとか書いてあります。

 

喜多川歌麿の深川の雪という絵がありますが、この絵の中では、

柱と床の接合部がすべて隠してあります。

歌麿がどうしてそうしたのかはわかりませんが、ひょっとすると、日本人の中に、

この部分はあまり美しくない、という意識があるのかもしれません・・・。

歩いている途中、時々犬矢来を見かけて、そんなことを思ったりしました。

 

 

陸橋を渡って。

 

帰りのこだまが結構早い時間なので、急いで博物館の方へ向かいます。

 

 

三十三間堂の門を通って。

 

 

京都国立博物館

 

なぜか京都って、地図を見ていると「なんか歩いて行けそうな気がする」と

思ってしまうのですが、実は、京都タワーの近く~羅城門跡~博物館って、

結構な距離だったのではないか。

博物館に入ってすぐ、ロビーでひとまず休憩という・・・

 

 

非常に上品な空間で、博物館というよりは美術館の雰囲気があります。

いいところです。

 

ただ、勘違いしていたのですが、ここは「京都にある国立博物館」であって、

都道府県立の博物館のような、その地の歴史について紹介しているところでは

ないのですね。

 

すごくいい状態のものもあれば、バラッバラの破片を一生懸命くっつけた

馬の埴輪もあったり、おもしろいです。

 

あと、「出土地不明」っていうのは初めて見ました。

大体、他の博物館だと出土地がよくわからないのは「伝〇〇」という感じで、

「〇〇で出土したらしいんだけど」ってぼかしているところが多いです。

 

曖昧な情報なら出さない、どこで出たのかが重要ではなく、そのものを見て

ほしいということなのかもしれません。

 

 

私は、歴史とか美術とかさっぱりわかりません。

ただ、それを作った人のことを考えるとおもしろく思います。

 

たとえば、すごく見事な有舌尖頭器(槍の先のような石器)の展示がありました。

縁のギザギザしているところがわかりやすいのですが、これは動物の骨を押し当てて、

少しづつ剥離させて成型しているはずなのですね。

(どこかの博物館で再現動画を見た記憶がありますが、どこだったのか思い出せない)

これを作った縄文の人は、延々とピキッ!ピキッ!を繰り返したのだと思います。

ここまで薄く作られているのに、折れてもいない。形も非常に美しい。

この人は名人だったのではないでしょうか。

 

ふにゃっと歪んだ形の織部。

なんでまた、あえて歪ませるのかなと思うのですが、

これは、「やわらかさの固定」みたいなことなのかもしれません。

やわらかいものは保存が難しい。経年で変形してしまうし、ぶつかったら崩れてしまう。

ただ、焼きものなら固定ができる。やわらかさを表現し続けることができる。

柔らかさと固さを併せもつのは、焼きものだけである・・・・

 

そんなこんな、あーだこーだ考えてるとおもしろいです。

まあ、ただの素人考えです。

 

 

今、国立博物館はしばらく閉館になっているので、ギリギリのタイミングでした。

 

 

鴨川を、一体何回渡るのか。

ずいぶん長居したので、早歩きで戻りましょう。

 

駅に行く前に、また別のラーメン屋さんにいったところ、ここも手頃な値段で結構おいしい。

東京のラーメンって、高いのに、どこがおいしいのかさっぱりわからない店が結構あるので、

京都って、普通のレベルが高いのかもしれません。

 

 

帰りはまた、こだま号。

途中の駅に停まるときのメロディー(トントンテン テテン)が、「JA共済」にしか聞こえなくて

困った(?)のですが、ウチに帰って調べたら、それほど似てなかった・・・

 

 

私はすごく楽しかったのですが、旅行について人に話すと間違いなく、

「せっかく京都行って、それだけ?」と怪訝な顔で言われるので、誰にも言わない(笑)