明日カツオさんが、リハビリを兼ね、社会復帰できるよう、転院することになった。したがって明日は忙しい。カツオは退院するとばかり思っているので、話はややこしい。「転院して歩けるようにリハビリ入院するよ」と伝えるのが、非常につらい。ちなみにカツオさんは、かぁちゃんである私が大好きなのだ。(自分で言うのも照れるが)私もカツオさんが大好きである。本音を言えば一時も離れていたくない心境なのだが、仕事の都合もあり、そうはいかないのが現実だ。カツオさんは、2年前に脳梗塞に倒れた。それ以来、左半身にマヒと左側が認識できない、高次脳機能障害というものになった。あの時のショックは今思い出しても、胸がつぶれる。左脳が壊滅的ダーメージを負ったのだ。もう一日早く病院に駆け込んでいればと思うと、やりきれない。しかしお医者さんは「一日早くてもあまり変わらないと思います」と言ってくれたので、自分を責める勢いが半減したのは、お医者さんの気遣いだったのかもしれない。ともかくそれから、2年後に心筋梗塞とは、カツオが不憫でならない。

その日は、いつもの様子が少し、変だった。ベットに入ってしばらくすると「かぁちゃん、背中が痛い。胸も苦しい」と言い出した。その時は以前も同じことが」あったので、「背中をマッサージするか」と聞くと、「まっさーじはいらない」という返事。おかしいなと思い、背中をなでてやると少し楽になったというので、安心して眠りについた。その日がいつもと違うのはここからだった。夜中に何回か息苦しいと起きるので、「変だね。どこが苦しい」と聞くと今度は、左わき腹が苦しいという。どれどれと触ろうとすると、「痛いから触らないで」叫ぶように言うので、これはおかしいとすぐに救急車を呼んだ。その間意識あり。 救急車が到着し、病院を指定すると、そこはだめらしい。と白山市の病院に搬送された。この時点で私はまだ「あまり大したことはないんではと高をくくっていた。急いで病院に駆けつけ、長い間待った(実際はそんなに長い時間ではなかったらしいが)のちに、お医者さんが言うには、「。動脈乖離を起こしているか、心筋梗塞化のどちらかだと思いますが、命にかかわります。」頭真っ白、顔真っ青、のどはカラカラ、「すぐに検査と手術を行います」「造影剤を入れると移植腎がダメになる可能性がありますが、今は命を優先します」2重のダーメージに見舞われた。しかし、腎臓よりも命! 即決だ! 「お願いします」 頭を下げていた。祈る気持ちで過ごした数時間。

先生の説明を受けたときは、朝の6時を過ぎていた。「命はとりとめました。血管は裂けていませんでした。心筋梗塞でした。カテーテルを入れシャントを作りました」こんな説明だったように思う。そして「運ばれる前に命を落とす人も多いんですよ」と言われた。カツオさんは運がよかった。運ばれた病院も、たまたま心臓の先生が当直だった。すぐに手術に入れた。という幸運に恵まれたことが、あなたをこの世に引きとどめてくれた。救急車の隊員の皆さん、先生・スタッフの皆さん本当に感謝です。