白神山地⑤ 2020.10 | ふみの山散歩

ふみの山散歩

丹沢をベースにウロウロしてます〜^^

 

 

こんばんは^^

 

 

秋田県白神山地の記事が続いています

 

 

 

 

藤里駒ヶ岳からの下山途中

ずっと続く彩豊かな樹々の道

 

 

 

 

この森の温もりを感じながら歩きました

 

 

 

 

 

この森の幾重にも重なる彩を

心のひだにゆっくりと折り込んで。

 

 

 

 

この二色の葉の彩は

発光しているかのように輝いていて

思わず皆で歓声をあげた

 

 

 

元々こんな色彩になる葉っぱなのか

赤色に染まる途中なのかはわからないけれど

一色ではないからこそ強く印象的で。

 

 

人に対してもまた

この人にはこんなところもあったのかという発見があると

新鮮な驚きと共に強く惹かれるものがあったりしますね^^

 

 

 

 

栄作美ガイドは今回のツアー中、

何度かふと道をそれて、藪の中に一人、

消えていく瞬間がありました(笑)

 

 

 

もちろんすぐ戻ってこられるのですが

栄作美ガイドにとっては勝手知ったるこの森の中、

そこになんの印もなんの特徴もなくっても

どこに誰(※木だけど)がいるか、

どこに何があるのか(※きのこだけど)をまるで

自分の体の一部であるかのようにわかってらして、

サッと藪の中に入られ、サッと出てきますww

その姿はこの森にずっと住んでいる動物のようでした

 

 

 

目的はこの季節ならではの、

キノコの様子見でしたw

 

 

 

今年はダメだったなとか

まだ早かったけどこの小さな菌がついてたから

あともう少しすれば、とか。

 

 

 

そのうちの一回は普通に

ブナハリダケを採ってこられたこともありましたww

 

 

 

 

ちょっとしかなかったけど

と言い

 

 

 

 

「これは明日のランチの時に皆で食べよう」

と仰ってました(※そして本当に翌日きのこ汁として頂いたのです!)

 

 

 

うあー!嬉しい!採りたてキノコ!

こういうのってホント憧れます

山の恵みを自分で採って「いただきます」と

心の底から感じて体に取り入れる事。

あ〜きのこでも山菜でも、

自分で採ってみたいな〜

 

 

 

楽しいお山歩を終え

色づく樹々の間から下山口に降りてくるメンバー↓

 

まるで妖精が山から出てきたみたいでかわいかったです^^

 

 

 

その後

バスで少しだけ移動して

『岳岱自然観察教育林」へ移動

 

 

こちらは入山禁止となっている「核心地域」に入れずとも、

原生林のブナ林を楽しめる敷地でもあります

 

 

こちらはもちろん個人で勝手に入れるのですが

現地のガイドさんと一緒に歩いた方が、

より、このブナの成り立ちや人との歴史も知ることができて

オススメです

 

 

ブナ林が戦時中に大量に伐採されたことをはじめ

人間の暮らしによってその生態系が少なからず影響してきたことなど

ちゃんとガイドさんのお話を聞きながら歩くことでこそ

ブナという生き物、

そして森の成り立ちを深く知ることができます

 

 

 

更にこの岳岱自然観察教育林は自然のままの森の姿なので

資料や映像で説明されるのとは全く違うリアルさで

五感と体感で森を味わいながらガイドさんのお話を聞け、

本当におすすめ。

 

 

 

ガイドさんをつけずに

「キレイだね」と、この敷地内をお散歩するのもまた

それはそれでとても楽しいものだと思いますが

私は今回ガイドさんのお話を聞きながら歩いたことで

森の歴史、森の想い、森の体温を

深いところで感じられたような気がします

 

 

 

 

森はずっと人との暮らしに密接に関わってきたけれど

森は人がいなくても生きていける

 

 

対して人は

森無くしては、生きてはいけない

 

 

 

人がこの地球で生きていくつもりなら

森の声に常に耳を傾けなくては。

耳を傾けること。

 

 

 

耳を傾けること

 

 

 

余談ですが私は山を歩いている時

「耳で見ている」感覚になることが

よくあります

 

 

 

 

森は言葉を喋らないけど

多くの言葉を語る人間が

本当のことを喋っているのかは疑わしい

森は喋らないけれど嘘はつかない

 

 

 

 

もじゃもじゃとした自分の想いを織り混ぜながら

ガイドさんの話を聞きながら過ごしたこの時間は

ものすごくよかったなと思いました

 

 

 

入ってすぐの場所は戦中、戦後

大量に伐採された後の二次林だそうです

 

 

こちらに生えている樹たちの樹齢はほぼ70年位。

私たちがよく目にするこの大きさになるまでに

少なくともそれくらいが、かかっているということ

 

 

こちらの遊歩道は途中まで

バリアフリーになっているので

車椅子の方でも入れますね

 

 

入ってすぐに

ものすごく気持ちいい。

なんというか、空気がキレイ

 

 

 

当たり前ですが

樹のエネルギーに

満ち満ちている

 

 

 

 

この大きさになるともう優に100年は超えている

 

 

 

ブナの実が地面に落ちて運よく動物たちに食べられずに

発芽すると冬から早春にかけて発芽します

 

 

 

本当に運よく発芽した芽のその成長は

なんと年に数ミリから1センチ程度だそう(驚!)

 

↑最初の成長の進行は遅くて、これでようやく3年〜10年くらい!

なんという儚さ!歩いていて無意識に踏ん付けちゃそうな大きさなのに!

ここからさらに「若木」に成長するのはほんの僅かな芽だけだそう。

 

 

 

運よく若木となって、その後厳しい生存競争の中を

生き抜いた木だけが「成木(せいぼく)」となります

めでたく(?)成木となってもまたその成木が開花するまで

40〜50年。さらに実をつけるまでに60〜80年。

 

 

 

木は私達のよく目にする『木』となるまでに

気が遠くなるほどの時間をかけているのですね

そしてその木がそこにあるということは

奇跡に近い生存率だということで。

 

 

 

↑シーサーの顔のようなコブがあるブナの大木。300年位かな。

 

 

 

 

 

ブナは戦中はプロペラ機にも使われていました

戦後は紙の材料(パルプ)の為に大量伐採されました

また、橅(ブナ)は乾燥して使うのに20〜30年くらいかかるので

一般的にはなかなか使えなかったそうです

なのでかつて神社などで使われることが多く、

一般的には杉を使うのが手取り早かったそう。

その為、戦後は一斉に杉を植林しました

 

一方、戦後木材乾燥機ができたことでフローリング材に大量に使われることになり

ブナも大量伐採。

 

 

と、こんな風に色々と教えてくれ

とても興味深いのです

森は昔も今もいつも私たちの生活を助けてくれているのですね

 

 

 

この森にちょうど

ブナの実がたくさんたくさん落ちていて

私は生まれて初めてブナの実を食べました^^

(美味しい!)

 

↑みなでブナの実を拾ってる ww

 

 

 

ところで今回ご一緒した

山岳ライターの小林千穂さんですが

いつもどんな時も素敵すぎる笑顔なんですが

ガイドがお話しされる言葉を

とても一生懸命、いつも真剣に聞かれていらっしゃって

その都度ノートにメモをとっていらっしゃいました

 

 

 

この姿がまたとても素敵で

 

 

 

 

 

私は千穂さんの輝く笑顔とともにこの、

真剣な眼差しがとても美しいと感じていました

 

 

 

 

そして公の場に言葉を述べる機会の多い千穂さんは

写真の整理から文章を書く作業だったりを

とてもお忙しい中このツアー中でさえも一生懸命並行してされていました

華やかな容姿とお仕事の印象ですが

その裏でこんなにも地道に一生懸命なんだなと感動しました

当たり前ですが「プロ」として仕事されてるんだなと。

 

 

 

そしてようやく会えました

初日の「世界遺産センター藤里館」で等身大のパネルであった

「樹齢推定400年のブナ」に。

 

 

 

ガイドによると400年以上。軽く超えてるとの見解でした。

 

 

 

 

 

その姿を見た時私は「阿弥陀如来」に見えたのですが

皆さんはどうですかニコ

 

その雰囲気は圧巻でしたね

 

 

 

よく見ると上部に「ブナハリダケ」がついています

このように古木にきのこがつき始めると

もう後、そんなには長くないそうです・・・

 

 

 

 

 

 

 

ガイドがこのブナの話をされる時

まるで大切な母親の話をされているみたいでした

年老いた母の先行きがなんとなくわかる分

少し切なそうにお話しされてるように感じました

 

 

やはり周りの樹と比べて圧巻。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてガイドが仰っていた、「水は湧元から」。

この森の中で、湧水を湧元から、頂きましたよ^^

 

 

 

この時とても気温が低く寒かったので

お水を飲むのと震え上がるのでは

と思っていたのですがいざ口に含むととても飲みやすい温度で

 

 

 

 

それはそれはまろやかで

美味しいお水でした

柔らかい水です

 

 

 

 

そしてブナ林は「緑のダム」と呼ばれますが

その木の麓の土は多くの水を含む落ち葉の層となっています

それはまるで落ち葉のミルフィーユ

 

 

 

この落ち葉のミルフィーユをガイドがキュッと押すと

水がじゅわ〜と滲み出てきてびっくりしました

 

 

こんなにも水が含まれている土だけど土砂崩れなどが少ないのは

ブナの木の根がしっかりと土をつかんでいるから。

そしてこの腐葉土は年に1mmの層が出来上がるそう。

水分が蓄えられる→森が潤う→モヤが森全体に。→全てが潤う

よって「ブナの森は水の森」となるそうです

 

 

ガイドのお話では実は

この腐葉土の中には未発見の遺伝子が眠っているかもと

研究員の中で話されているそうです

(それはエイズに対してのお薬だとかそういったものになるもの)

なので、世界遺産のこの白神山地というのはその為にも

大事なものなのだそうです

 

 

 

土の中は未知の世界なのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

その後、「もののけの森」という場所に移動して

「もののけの木」と呼ばれている樹にも会いに行きました

 

 

こちらは近くまで行けて触れることができましたので

皆それぞれにエネチャージ^^

 

 

 

こちらもまたものすごく大きく

独特の雰囲気の樹でした

 

 

ずっとここに いるんですね

昔から。これからも。ありがとうございます。

 

 

 

 

この岳岱自然観察教育林、

すごーく良かったなー・・・

まだまだたくさんのお話を紹介したいくらいですが

この辺でやめておきますね(笑)

 

 

千穂さんがガイドのお話を聞く私達の写真を撮って

くれていましたー

 

 

 

 

 

 

 

 

千穂さんありがとうございます

栄作美ガイドありがとうございます

 

 

 

 

 

つづく

 

 

ニコパー