老後を楽しむ

老後を楽しむ

偶然に見つかったのですが、腎臓に癌が見つかって4月に摘出手術をしました。幸い、早期発見だったので今は元気に暮らしています。女房とこれからの人生は楽しみながら暮らしていこうと思います。

昨日は、以前より楽しみにしていた鷹の渡りを見に長野県の松本市の白樺峠という所に行って来ました。


一年ほど前にTVで、白樺峠で大勢の人が鷹の渡りを楽しみにカメラと三脚を抱えて、鷹が大陸に渡って行く姿を撮りに来ているのを見たんです。


いいなあ!じゃあ、来年の渡りの時期に自分達夫婦も見に行ってみよう!と、この季節になるのを待ち望んでいました。


回りの人達にも鷹の渡りを見に行くんだと宣伝しました。


殆どの人が、知らないので、見てきたら教えてあげるね!って宣伝してきました。


いつ頃に行くと見られるのか

、いろいろな過去のYouTubeを見たり、検索でそろそろ始まっている情報を得たりして

行く日を昨日の金曜日としました。


土日は混むだろうから金曜日に行った方がいいかもしれないと考えました。


駐車場も満杯になって車を停める所にも困るかもしれないから夜が明ける前の早い時間に一番乗りした方がいいだろと、前日の木曜日の夜に千葉を出発しました。


出発する数日前から装備を点検して、動画用に購入したスマホと自撮り棒や山の上で待機するので寒いかもしれないので羽織れる物や飲み物やお菓子、熊避けのスプレー、熊避けのベル等を用意しました。


私の話を聞いて自分も一緒に行きたいというお友だちも一人増えて女房と私とお友だちの3人で出かけました。


車中では、私が調べた鷹の渡りについてのウンチクを披露して、期待に皆、胸を膨らませてルンルン気分で真夜中に長距離ドライブを楽しみました。


全員年寄りですが、今まで見た事の無い未知との遭遇の話は弾みます。


きっと、若い人が聞いていれば冥土の土産話になるんだろうなと思うでしょうね( *´艸)


さて、現地に到着したのは朝方の5時前くらいでした。


後で解ったのですが、どうも我々が来た道は、普通の人が通って来る方向からの道ではなくて裏側から来たみたいで、全く他の車が通った形跡が無かったんですよね。


大丈夫かなあ?この道でいいのかなあ?


台風の影響が有ったんでしょうか?枯れ木の枝が折れて道の真ん中を塞いでいるみたいに横たわっているのが何ヵ所も有ったり、落石が何ヵ所か有ったりしていて、本当にこれ以上進んで行き止まりになったり、方向転換する道幅がなくて帰れなくなったらどうしようと思いながら進みました。


唯一、心の支えになったのは、きっと今日も鷹の渡りを大勢の人が見に来る筈だから自分達だけではないだろうという思いが有るので、不安に思わずに先へ進む事ができました。


現地に着いたところ、まだ誰も来ていなくて、そんな筈は無い!と不安になりました。


きっと、真っ暗なうちから既に大勢の人が来ている筈なのに、ひょっとしたら此処ではないのではないかと考えたり、天気の加減で薄暗かったので、こんな日は渡りは見られないのではないかと思ったり、それか鷹が飛び立つのは遅い時間でまだ早すぎたのかなあ?といろいろ頭の中を巡りました。


でも、せっかく来たのだから「鷹見の広場」という所へ他の人達を待たずに先に行ってみようという事になり、私が先頭を歩き、自撮り棒に動画専用に購入したスマホを固定して動画を撮りながら進みました。


真ん中に女房を挟んで後尾に私の友だちの男性が熊避けのスプレーをいつでも噴射できるように構えながら数歩歩いては左右後ろを振り返りながら熊が、いないか確かめて進みました。


道幅が狭いうえ、左右は急な斜面なので、もし熊と出くわしたら逃げ場が無いよねと、どうか遭遇しない事を願いました。


びくびくしながら、5~6分程歩いていると、見るものが熊に見えてきて、木の切り株が熊に見えたり、回りの木の幹に縦のスジがあると熊の爪痕ではないかと、恐ろしく見えるのです。


他に一緒に歩いている人々がいれば、もっとびくびくしないでいられたと思いますが、全然誰も新たに来た人が居ないのです。


鷹見の広場までは駐車場から20分程歩くとインターネットの記事では書いてありました。


「どうしよう?

まだまだ先みたいだよね。」


「上の方で熊と出会ったら、逃げて来るにも時間がかかるだろうから助からないよね!」


「どうしますか?

今なら登り始めだから、すぐ車に避難できるけど、上まで行ってしまってから熊と出会ったら助からないよね。」


「どうしよう?」


「どうする?」


「どうしよう?」


一緒に行った人が「勇気ある撤退も必要な時もある!」と。


「そうですよね。それも勇気のいる事で正しい判断だと思います!」と、私。


「そうだよね!じゃあ、帰ろう!」


その途端、下り道だというのもありますが、とっとと急ぎ足で車まで戻りました。


駐車場には、まだ誰も来ていなくて私の車しか有りませんでした。


「やっぱり、降りて来たのが正解だったんだよ!」と自分達の判断が間違っていないとお互いに言い合って、「早く帰ろっ!」と車に乗り込みました。


山の麓まで降りて来ても、まだすれ違う車もなくて、あのままずっと居られる度胸もないので、良かったと思いました。


まあ、今回は鷹の渡りだけでなく黒姫高原や野尻湖にも用事があったので、何も成果も無く帰途についたのではないので、それなりに出かけて行って良かったと思っています。