直近の前職では、後半の1年半は、必要な時に出社する以外は、ほぼ、フルリモートで勤務することができていたので、それなりに、リラックスした状態で、仕事にのぞむことができていたのではないだろうか...と、推測されるが、夜中の0時以降に、CEOから電話がかかってきたり、土日に、緊急のミーティングがあったりと、仕事の就業時間外に対応するケースが、多々、見受けられた。しかしながら、このことを、自分にとっての「ストレス」と感じることは、ほぼなかったと、少なくとも、僕の顕在意識上では、そのように思っていた。つまり、自分の「顕在意識」の上において、いくら、「このことはストレスとは感じていない」と、思っていたとしても、残念ながら、身体のほうが、先に音を上げてしまう...といったケースが、確実にあるということだ。正直、「ストレス」どころか、一種の「大きなやりがい」すら感じていたために、身体が音を上げてしまうといったことにつながってしまったのは、本当に悔しかったとしか言いようがない。

 そもそも、もともとの症状として、「思考が鈍り、思うように頭が働かなくなってしまう」ような感じというのは、直近の前職の時のみに、発生していた症状ではなく、前々職の上場企業の経理職に就いていた時にも、それなりに、その症状を、いかんなく発揮しており、辞める前の3カ月ほどは、週3日~週4日の1日5時間程度の時短勤務で、勤務を続けていた。したがって、この前々職の頃と比較したならば、直近の前職のような働き方が、続けられていたことは、たとえ、抗不安薬などの薬を飲んでいるとはいえ、僕の中では、それなりに大きなprogress(前進・進歩)であったと言うことはできるだろう。今、振り返ってみると、あれだけ、身体的な症状に苦しまされた後で、よくもまあ、同じ「正社員」のポジションで、残業や休日出勤もいとわずに、2年半近くも、働き続けることができていたものだなあ...というのは、前々職の時の当時の自分のコンディションと比較すると、改めて、「ちょっと、その挑戦しちゃって、本当に大丈夫?」と、声を、自分に対してかけたくなるような心情(気持ち)になってしまう。正直、コンディションが安定している時は、「もしかしたら、このままずっと、勤め続けることができるのでは?」と、淡い期待を抱いていたのだけれども、そうは問屋が卸さなかった。しかし、改めて思うのが、僕にとって、フルリモートではなくても、リモートワークを併用することができる環境というのは、「余計なプレッシャー」や「悪い意味での緊張感」が増幅するのを、上手にコントロールしてくれる、かなり有効な手段の一つだった...ということが、やっぱり言えそうだということ。もちろん、正社員特有の勤務時間の長さがたたって、ストレスコントロールが上手にできなくなり、結果として、病んでしまう...というケースも、当然、考えられるのだけれども、直近の前職では、後半の1年半は、リモートワーク環境がなかったら、もっと早くリタイアしてしまった可能性が高かった...というか、まず間違いなく、もっと早くリタイアしてしまっていたことだろう。

 つまり、これらの事例からも、わかるように、一つには「週5日出社」しなければならない場合には、「勤務時間の長さ」が、どの程度なのかに、かなり大きく左右されるという側面があるし、仮に「週5日出社」して、「残業」もしなければならない...といった場合には、「リモートワーク」が、何日程度できるかどうかにより、コンディション調整の成否が分かれてくる...ということが言えそうだ。あとは、同じ「経理」でも、IPO準備(上場準備)など、通常のルーティーンワークに加えて、やらなければならないことが増えてくる環境なのかどうかや、ベンチャー企業のように、仕事を終わらせるスピードに、かなり重点が置かれている企業など、あくまでも、「マイペース(自分のペース)」で、コツコツと地道な作業を行っていくかのような環境とは言い難い環境に身を置く場合には、通常かかるプレッシャー以上のプレッシャーが想定されることから、suitable position(適しているポジション)とは、なかなか言えないのかもしれない。こういった場合には、いくら、リモートワークが導入されていたとしても、コンディション面におけるフィット感が十分ではないと考えられる。

 言うなれば、オーディオブックや本を、自分のペースで読んだり、聴いたりできている時のような、一種のrelaxing(リラクシング)なセンスというか、そのことをしていることによる「負荷」が、実感として、あまり感じずに済むことができるようなポジションというのが、この「コンディション面」から観た場合におけるフィット感が、明らかに高くなるポジションだ...と、言うことができるのではないだろうか。そのような視点で考えた場合、経理のポジションが必ずしも、最適解ではないし、将来の不安は残るにしても、正社員として働くことが必ずしも、最適解ではない...ということができるんだろう。