同じ本を繰り返し読む「精読」と呼ばれるタイプの本の読み方が、一般的にはあるとは思うけれども、同じ本を繰り返し読む「精読」があるのだったら、同じように、同じ本を繰り返し聴く「精聴」というのがあってもいいとも思うし、資格試験講座などの講義動画を繰り返し視聴する「精視聴」というのもあってもいいとは思うし、実際に、やっている人は結構、いるとは思う。ただ、「精読」と違うのは、音声や動画だと、「必要な箇所」だけを切り取って、精読したりとか、疑問に思った箇所だけを繰り返し何度も読むといったことが、比較的、難しいことから、この「繰り返し読む」という「精読」という言葉のみが、一般化しているんだと思う。正直、単純に「地頭」を高めたい!という要望に応えるという視点のみから考えた場合には、この「本を繰り返し読む」という「精読」が一番の近道なのかもしれないなあ...と、思ったりもしている。特に、古典や歴史書などについては、難解な表現や言い回しなども多いだろうから、「精読」するには、もってこいのテーマの文献だと言えるだろう。

 僕は、この「精読」と同じように、資格試験の講義動画だけを繰り返し視聴する「繰り返し視聴」することによって、得られてくる能力やimprovement(改善・向上)する能力が、どこか確実にあるとも思っているんだけれども、皆さんはどう思うだろうか。つまり、「人の話の論理展開」についていく能力であったり、「専門用語」に対する違和感の解消であったり、「図解」と「解説」との関連性・相関関係の読み取り能力であったりと、少し考えただけでも、比較的、たくさんのことが言えるのではないだろうか...というのが、僕の意見だ。もちろん、純粋に「地頭」を鍛えたいのであれば、おそらく、本の「精読」が、一番の近道のような気もしなくもないけれども、前述したような能力全般を、総合的に鍛えたいということであれば、自分の能力より少しハードルが上の資格試験講座の講義動画の「繰り返し視聴」というのが、単純に「資格試験に合格する」といったこと以上に、もたらしてくれるものも、もしかしたら、あるのではないかな?とも、思ったりしている。

 特に、資格試験講座の講義動画というのは、大学の講義などと比較した場合に、「聴きやすい」ように作られていることが多いし、「理解がしやすい」ように作られていることが多いため、アウトプット(問題を解く)をしなくても、自然と培われてくる能力というのも、ある意味では、あるのかなあ...と、思ったりもする。もちろん、きちんと、問題を解いてアウトプットして復習して...のサイクルを回すことができるのならば、それをするに越したことはないのだけれども、それが少し辛いなあ...と思う人(自分が、今、この状態です。)は、せっかく支払った資格試験講座のお金なので、YOUTUBE感覚で、講義音声だけでも、繰り返し聴いてみてはどうだろうか。(それでも、YOUTUBEのほうが観やすいから、YOUTUBEをつい、観てしまうかもしれないけど。)特に、2倍速や1.75倍速などにすると、前述の能力を鍛えるのにも役立つはずだから、ある意味、「聴き流し」の英語教材「エブリデイイングリッシュ」のような感覚で、聴き続けると、それはそれで、意味のある「トレーニング」として、成立する部分も、ある程度は、あるかとは思う。