ドライブレコーダーが事故や危険運転の抑止に

非常に役立っているように、運転に限らず

市民生活のあらゆる場面を自動監視して

犯罪抑止を強化しようとする動きがある。


しかし、そのような監視とプライバシーの保護との

兼ね合いが難しい。


悪用されてしまうのを技術的に、そして法的に

どう防ぐかが問題となる。


ノーベルが発明したダイナマイトのように、

新しい技術がもたらす利便性の裏には必ず危険が付きまとい、

厳重な対策が必要であることを知っておく必要がある。


■参考記事

中国本国で未公刊の問題作。AI技術が独裁政治に悪用されたらどうなるか、背筋が凍るほど恐ろしい未来図

https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00003386/



長野県がAIを使って未来を長期的に予測し、

その結果を基に政策提言を行い始めている。


全てをAIに頼るのではなく以下のような3段階のうち、

分析フェーズ(2の部分)をAIが担っている。


1. テーマを設定して理想のモデルを作る。

2. モデルのシミュレーションを行い、分析する。

3. 分析結果を解釈し、具体的な政策を提言する。


AIと人間が欠点を補い合って政治を行う

モデルケースとして、今後、他の市町村にも

広まっていくと思われる。


■参考記事

知事会見(平成31年(2019年)4月17日(水曜日)11時20分~12時25分 会場:県庁)

https://www.pref.nagano.lg.jp/koho/kensei/koho/chijikaiken/2019/20190417.html

長野知事はAIを使って分かった「政治の責任重くなる」

https://www.asahi.com/articles/ASM6B6S3ZM6BULFA03C.html

長野県の2040年、AIで予測 観光振興が重要

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43861090X10C19A4L31000/



今やAIで簡単に、本物そっくりの偽スピーチを

作成することができるという。


それによって、自分が言ってもいないことが

悪意のある者によって作成され、ネット上で

大規模に拡散する恐れがある。


というより、もう既に有名人らが被害に遭っていて

早急に対策が必要な状況になっている。


当人の発言とほとんど区別がつかないものを

技術的にどう見極めて対処するかの検討も大事だが、

法的な規制も急がなくてはならない。


また、これらの被害を被るのは著名人だけでなく、

ごく一般的な人達においてもありうるということを

認識して注意しておくことが大切である。


■参考記事

10ドル足らずの費用でAIに国連総会の偽スピーチを書かせることができる

https://jp.techcrunch.com/2019/06/08/2019-06-07-for-less-than-10-anyone-can-make-an-ai-write-a-fake-un-speech/


Facebookなどの企業では、暴力コンテンツの取り締まりを

AIで実施している。


例えばテロ関連の投稿であれば、特徴がはっきりしているため

AIで検知しやすいが、ヘイトスピーチのように文脈によって

ニュアンスが変わるような投稿についてはまだまだ判断が難しく、

場合によっては人間が読む必要があるとのこと。


やがてそのうち、AIが人間よりも素早く正確に判別できるように

なると予想しているが、そもそもどんな言説が善なのか悪なのかを

定義する必要がある。


それを議論したり決定したりする役割は政治にあり、

企業だけでなく各国の政府が協力しないといけない課題である。


■参考記事

動画やヘイトスピーチ、AIでは防ぎきれない? FBが対応迫られる「白人至上主義」

https://dot.asahi.com/aera/2019052800060.html



政府の教育再生実行会議が、小中高校でのIT技術の習得を

強化するべく、提言を首相に提出した。


首相も前向きに受理し、これから文部科学省で

具体的な制度の検討が進められるとのこと。


その中で特に、AIの技術の学習に力を入れていく

必要性が強調されている。


今、既に誰でも簡単に使えるようなAIのソフトが

開発されており、その複雑なアーキテクチャの内容を

勉強するのも良いが、まずは使用する上でのリテラシーや

倫理的な問題について理解を深めることが大切ではないだろうか。


既存の学問のように一部の専門家だけに必要なものではなく、

"インターネット"とか"スマートフォン"のように皆が否応なく

接していくものであり、課題も山積みだからこれから世界で

話し合っていく必要がある。


偉い方々が過去の文脈で検討を進めていないか懸念される。


■参考記事

「高校の学び多様に」 国際化、AIに強く 普通科改革を柱

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201905/CK2019051802000157.html


今年2019年5月に、非中央集権を理念とした

政治団体「トークントークン」が設立された。


既存の政治団体のように代表者や責任者がいて

その人が団体運営や意思決定をするのではなく、

多数決や相互監視的な仕組みによって運営していく。


ブロックチェーンの技術によって実現される

全く新しい概念の政治団体である。


政治AIも、特定の党や組織、個人に有益になるようにではなく、

フェアに、そして結果的に全体が良くなるように作用することが

思想の根幹にある。


仕事の責任と権限は比例し、政治家や社長といった人達が

汚職に手を染めるのは世の常になっているが、

今後は、そのような権益の偏りが技術的な仕組みの上で

無くなっていくと予想される。


■参考記事

日本初、代表がいない政治団体「トークントークン」。非中央集権社会のための法改正目指す

https://www.coindeskjapan.com/10583/


AIの開発や普及に関する国際ルールについて先進国で議論されています。


2016年に日本が初めてAI原則を提起し、既に42か国で採択されていますが、

そこに中国やロシアは含まれていません。


AI原則とは要するに、あくまでAIは人間が扱うツールに過ぎないので

人間が仕組みを明確に把握し、厳格に管理していこうというものです。


確かに、核爆弾なども同じだと思いますが、正しく使えば重宝される物も

使い方を間違うと大惨事になりえますので、そのようなルールは必要だと思います。


しかし、AIが膨大なデータを分析して導き出した結論に対して

人間の知恵が及ぶかどうかというのは疑問で、内容はある程度

ブラックボックスになってしまっても仕方が無いのではないでしょうか。


その代わり、人間(開発者や運用者、あるいは一部の権力者)の私情を

挟まないような仕組みにすべきです。


特に政治にAIを導入する場合には、いかにフェアな判断をするかが

極めて重要になりますが、政治家だけでなくAI開発者の課題として

今後対応していくことになると思います。


■参考記事

貿易・デジタル相会合、責任あるAI開発議論 G20で初

https://www.sankei.com/politics/news/190603/plt1906030033-n1.html


お役所の手続きは未だにアナログで、時間と手間が滅茶苦茶かかるし、

平日の日中帯に役所へ行くには、仕事の休みを取らないといけない。


そして恐らく、サービスを受ける側だけでなく、提供する側、

つまり、役所の職員も長時間労働を強いられている。


この両方の不満をITを駆使して改善していこうとする企業のことを

GovTech(ガブテック)と呼ぶそうです。


そうした取り組みは海外では既にメジャーになっていて、

日本政府も行政手続きのデジタル化を推進しているものの、

まだまだ実際には広まっていないように思います。


まして、そうしてつくられたITシステムにおけるデータを

分析したり学習させたりして、国民や市民たちの生活の改善に

繋げるといった動きは、今現在ほぼ無いのではないでしょうか。


政治AIは、行政システムやそのデータとの連携が必須になってくると

想定していますが、行政のIT化も急務と言えると思います。


■参考記事

行政×テクノロジー「GovTech」はマーケター無双 元リクルート・井原氏が語るやりがいと挑戦

https://markezine.jp/article/detail/30856




AIの実用化には倫理的な問題がつきものです。


例えば、自動運転AIが実用化される時には、

「自動運転車で事故が起きたら誰が責任を負うのか」

ということが問題になります。


自動運転AIによって交通事故が減る、ということが分かっていても、

それでも事故は起きてしまうのであれば、考えねばならない問題です。


政治家の役割はここにあると思います。


明確な安全基準を設けたり、

事故に関しての法律を整備したりすることが急務です。


飛行機にも、人命に関わるクリティカルな事象の発生率が

10のマイナス9乗(回・飛行時間)以下という厳密な基準があって、

それを根拠に全てのルールが決められています。


局所的な部分においてAIを実用化する時でさえ

倫理的な問題がやかましく騒がれるのであれば、


まして、人々の生活にもろに直結する"政治"に

AIを導入するとなったら、大問題になるのではと予想されます。


ただ、自動運転AIと同様、導入すれば不幸が減って世の中が良くなる

ということが分かっているのであれば、明確な基準を設けて、

あとはその基準をいかにクリアするか、というだけの話なのかもしれません。


■参考記事

BLOGOS 「自動運転車を作ってハイ終わり、ではない」スペシャリストが語る未来のモビリティ社会

https://blogos.com/article/376576/