流鏑馬部は、
馬場が見渡せる小さな公民館を使っていた。
誰もこない山奥の公民館の中は静まり返っていた。
「あゆ君・・・中間テストの結果、がた落ちだよ。
・・・・かおる君はあんなに賢かったのに」
深刻な表情で、
流鏑馬部の女子マージャーの、
しのぶ先輩は言った。
かおるってのは、僕の双子の兄で、しのぶ先輩の彼氏。
しかし、かおるは現在、失踪中。
しのぶ先輩の後ろには、
ほとんど僕らしか使わない古びた台所が見えた。
そして、古びた畳は、やたら柔らかかった。
失踪前の兄としのぶ先輩は、
ここでいちゃいちゃしてたのかも知れない。
しのぶ先輩の体操服の上着は、
ジャージにきっちりインしており、
体操服越しに、しのぶ先輩の胸の形がくっきり見てとれた。
「あゆ君・・・最下位はないわ。」
そう、それは同じクラスのアホ仲間の努力の成果だ。
奴を褒めてあげたい。おめでとうアホ博士。
「流鏑馬部は文武両道モットーとしてるのに・・・仕方ないよね。
あゆ君、君は罰として、お尻ぺんぺんだよ。さあ、お尻を出して・・・」
「えっ!そんなの聞いてないです!それに、今時体罰だなんて!問題になります!」
と僕は反論した。
「あゆ君だけを責めたりはしないよ。
私のマネージメント能力の低さが、この結果を生んだ訳だし。
連帯責任として、私もお尻ぺんぺんされるね。」
予想外の展開に僕は「ん?」となった。
「恥ずかしいけど・・・・言い出した私の方から、罰を受けるわ」
しのぶ先輩は、ジャージを自ら降ろそうとした。
「えっ!・・・って、先輩!」
僕の脳裏に、兄の『かおる』の顔が浮かんだ。そして、
もしかすると、しのぶ先輩は僕が
『かおる』かも知れない。と疑っている?
実際、僕ら自身、自他の区別は付けづらかった。
そうだとすると、色々面倒な事に・・・・
・・・と、いつごろからいたのかは解らないが、
古びた公民館内に、魔法使い少女のりっちゃんの声がした。
「ど変態ども!あんたらの連帯責任、私が罰してあげるわ」
りっちゃんはそう言うと、しのぶ先輩の、
脱ぎかけ途中のジャージを完全に下げた。
すると、しのぶ先輩の若干大きめのお尻が露。
「りっちゃん大胆不敵!」
と僕が歓声を上げた次の瞬間、
しのぶ先輩は、和太鼓に変化させられた。
そして、りっちゃんは手に持つ撥(ばち)で、
しのぶ先輩のお尻をバンバンとたたき出した。
一応、先輩何ですけど・・・。
しのぶ先輩が変化した和太鼓は、古い公民館内いっぱいに、
心地よい振動を響かせた。
そんな和太鼓になったしのぶ先輩が、詠んだ一句。
心底に 太鼓の鼓動 響きけり
彼にも届け 吾が心内
しのぶ
「結構な和歌でした」
と人間に戻ったしのぶ先輩に言って、
帰ろうとする僕に
「いやいやいや、あゆ君もだから!」
と、どS顔のりっちゃんが言った。
おしまい
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