風狂菴

風狂菴

風狂人の世迷い言です。

随分と眠り込んでしまった。

 

長い間、

夢の世界を彷徨っていた。

 

 

朦朧として、

辺りを見渡せば、

世の中がひっくり返っていた。

 

世捨てられ人でも、

まさか素知らぬ振りはできまい。

しがらみから抜け出したはずなのに、

世の浮かれた喧噪に心がざわめいている。

 

 

放下著

 

そんなものは捨ててしまえ。

墨衣を着た人が喝破していた。

 

その言を、

何を勘違いしたのか、

とある川の草むらに家具などを投げ捨てる輩がいる。

 

 

ある日、

野鯉の主に勝負を挑んだ日、

ベッドや布団などが釣り座に放り投げられていた。

 

その日、

偉丈夫の友と善行をしたのだが、

これまでの悪行が祟っているのか釣果は坊主。

 

善人の振りをした偽善者は、

また独り座して我が身を眺めてみることにしよう。

 

 

 

それでは、また・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、

地球が沸騰しているそうな・・・。

 

それにしても、暑い。

 

思えば、

ヨ-ロッパでは、

ロシアが仕掛けた戦争により、

深い悲しみや憎しみを生み出している。

 

 

日本では、

おぞましい事件が起きている。

人間の心が退化しているのだろうか。

 

思うに、

AIが人間を支配する時代が、

すぐそこまでやって来ているのかもしれない。

 

 

それなのに、

日々善人のような顔をして、

天気に生きている自分に呆れることもある。

 

これは印鈕(いんちゅう)といいます。

一寸角ほどの印石のつまみ部分に彫刻しました。

 

こちらは、

次郎柿の剪定枝で、

作業台を製作してみました。

細かな道具類を作るとき結構役に立っています。

 

 

時折、

釣り竿を担いで、

近くの川で野鯉に話しかけているのだが、

それは悩める男の身投げする姿に見えるかもしれない。

 

かつて、

汝(なんじ)、

妄想することなかれ、

と言われたことがあったような・・・。

 

では、また・・・。

 

 

 

 

 

今では、

思い出せないほど、

時が流れ去ってしまった。

 

近くの川へ、

釣り竿を担いで行ったとき、

河原で拾った木材の切れ端をノミで削った。

 

そこから、

この女性が姿を現した。

 

 

彫刻を学んだことはないが、

脳裏に浮かぶ裸婦像を削り出していた。

 

こちらは、

刀の鞘製作の端切れ、

朴の木を小さなノミで削り出しもの。

 

 

そして、

こちらは、

骨董市で出会ったもの。

 

黒錆で覆われ、

無残にも切断されたそれは、

残欠と呼ばれる日本刀の切っ先。

 

ヤスリやノミなどと一緒に、

薄汚れた木箱に無造作に入っていた。

 

何故か、

呼びかけられたような、

そんな気がして菴に連れ帰った。

 

日本刀研磨の作法に則り、

化粧研ぎまで施して、

拵えに収めた。

 

 

世の中、

捨てる人と、

蘇させる人がいて面白いと思う。

 

以前の記事。

愚生が開拓した、

野鯉釣りの新天地に足を運んだ。

 

そこは、

多くの人が楽しんでいるようだった。

時折赴いてタバコの吸い殻などを拾っている。

 

今は、

そこよりも下流で、

独り野鯉釣りをしている。

 

脳裏を過ぎるのは、

遠く離れた欧州のこと。

できることは心の中で唯祈ること。

 

 

 

 

 

その昔、中国での話。

 

愚公という爺さんが、

家の前にあった山を家族とともに、

毎日毎日ひたすら削って他に移そうとしていました。

神様がその姿に感動して山を移動してくれたそうです。

 

ある日、

冬眠から目覚め、

何を思いだしたのか、

古い釣り竿を担いで、

野鯉釣りに通い出しました。

 

それは愚生のことです。

 

まだ

誰も野鯉釣りをしていない、

新天地を見つけて開拓すること六十日。

煎りヌカに鶏の餌などを調合した秘伝の餌で、

くる日も来る日も、

まるで座禅僧の如く座した。

 

ようやくのこと、

きょう巨鯉に会うことができた。

 

この場所も、

他の鯉師が占拠することだろう。

 

労せずに手に入れる。

これは世の常。

 

その時は、

また別天地を求めて、

さまよい歩こうと思っている。

 

鯉に恋した者は、

初鯉の出会いに胸がときめくのです。

 

 

これが、

腰の鉈や、

手にした鎌で、

喬木や雑草を刈り払い、

開拓した野鯉釣り場です。

 

肝心の小説の構想を疎かに、

鯉狂いしている愚かな者の安息の場所です。

 

何だか呆けが始まってしまったようですね。

 

では、また気が向いたら・・・。

 

十年一昔、

それを実感している。

 

十年ほど前、

黒髪がそよ風になびいていた頃、

熱い心で執筆した小説が、

薄れゆく記憶の中で、

徐々に遠のいていく。

 

忘却とは忘れ去ることなり。

 

 

 

<続・紅夜叉>

著者:菴 良介

まだ連載途中ですが、第四話まで掲載しております。

https://kakuyomu.jp/works/16816452218922488366