・・・でも、寂しくなった。
新郎とはずいぶん古い友達だ。すごくいい奴だ。ずっと、馬鹿をやってきた。この先もずっと、こんなのが続くと思ってた。でも、あいつはちゃんと結婚して、また前に進んでいった。
式で久々な友人たちにも会った。みんな、前に進んでいた。
俺たちが大学卒業したときは、今と違って、就職に関して、超氷河期だった。そんな中、希望のところに入れず、国家資格をとろうと決める奴らが多かった。今日集まった友達もそんな奴らが過半数だった。そんな中、俺はいわゆる一流企業に就職し、内心、彼らを馬鹿にしていたところがあった。彼らは、全員、大学卒業しても、実家で暮らし、しかも資格のための予備校にも通わせてもらっていた。一方、俺は、医学部にいきたいという思いをもちつつ、会社で働いていた。
俺の家は彼らのような裕福な家庭じゃない。だから、そういった環境を正直、すごくねたんでいた。大学卒業してから、そんな思いを抱えたまま、今まで来た。
昨日、集まったら、みんなちゃんと、資格をとっていたり、ほぼ受かったのも確実だって状態だったり、ばりばり仕事したりしていた。みんな、ちゃんと前にすすんでいた。
俺だけ、ずっと大学生の頃で止まっていた。俺は、大学卒業してから、いままでの三年間、ずっと同じところでとまっている。
俺は、本当はそのことにとっくに気づいていたんだと思う。でも、友達をひがむ事で、見ないようにしていたんだと思う。
俺も前に進もう。