首の痛みと後頭部の痛みでのご相談。
発症したのはここ一週間前で、首がロックされている感じで激しい痛みが発生したとのこと。
発症した当時のことをお聞きすると、部屋で首にクーラーの風が直接当たっていた。
温めると痛みが楽になり、口が開きにくい。
小便は6回/日でそんなに少なくはないが、無汗であったため、風寒の邪が侵襲し、軽めの痙病を発生したとして、葛根湯を主方とした漢方薬をお渡ししました。
その後、服用して3日ほどで痛みがほとんどなくなり、非常に楽になったとのこと。
これは金匱要略にある「痙湿暍病脈証治」の「太陽病、無汗にして小便反って少なく、気が胸に上衝する。口噤して語るを得ずは、剛痙をなさんと欲す、葛根湯これを主る」をヒントにしました。
今回の症例はここまで強い症状ではないですが、病機としては似ているため、葛根湯を主方とした処方としました。
ただ、この症例では葛根湯だけですと、発汗が強く出すぎ、陰を損なう恐れがあるため、滋陰を兼ね備えた処方と合わせてご用意したところ、比較的早く症状の改善が見られました。