結果はまあご存知の通り、0-3でオランダの勝利でしたがいろいろな意味でとても面白いゲームでした。

今回はオランダに勝つ、という目的よりも仮想本番、として戦ったようです。6人ある交代枠を2人とほぼ最小に留めたことから分かります。

岡田監督は引いて守ってカウンターではなく、日本の基本的戦術である前に出るカウンター、ハイプレスによるショートカウンターがどこまで通用するのかを見極めたかったようです。

岡田監督がこのゲームで世間からどう評価されるかは分かりませんが、今回は少なくとも意図が見え、現状の日本の問題点を上手く浮き彫りに出来た、という点で評価したいと思っています。

試合後のコメントで、ファン・マルワイク監督はこう語っています。

「チームとして試合の流れに乗れなかった。ビルドアップが悪かった。非常に良い対戦相手で、彼らはプレッシャーを掛ける勇気を持っていた。
オランダはもっとファン・ブロンクホルスト(左サイドバック)を探すべきだった。彼のところにスペースがあった。日本は中に入っていくチームだったからね。
 組み立てがあまりにも難しかった。前にボールを出すところを見つけてパスを出しても、すぐにボールを相手に奪われてしまった。今日のスナイデルやデ・ヨンクみたいにフラストレーションを出すことは今後あってはならない」

アジアのチームがここまでまともに太刀打ちしてくるとは予想していなかったのでしょう。前から来る日本に対し、オランダは少しとまどいがあったようです。
組み立てが上手くいかずにイライラがつのり、そしてスナイデルやデ・ヨンクのファールに繋がった。

「前半はポゼッションを失ってミスもたくさんあった。それでも後半は立ち直ることができた」

キャプテンのファンブロンクホルストもやはり前半の不出来ぶりを告白しています。
これは逆に日本から見れば、前半は非常に上手くゲームが運べていた証左でしょう。

非常に上手くゲームを運べた前半ですが、しかしここで日本はゴールを割ることが出来なかった。ここで1点でも取れていれば面白かったんでしょうけど。

後半に入ると日本は本田を投入します。これも本番を想定したテスト。守備に難があるものの得点力のある本田がどこまでやれるのか?

一方オランダは調子の上がらないロッベンに代え、若いエリアを投入。このあたりから流れが変わってきます。

前半からのハードワークがたたり、日本選手がスタミナ切れを起こし始めます。あと本田があまり守備をしないこともあり、連鎖的に今まで2人付けていたのが1人しか付けなくなるといったような状況が頻繁に現れ始めます。それと雨の影響もあったでしょうか。雨になれば技術の差も更に明確に出ますので。

数的優位が保てなくなればオランダは当然息を吹き返す。もともと技術の差がありますから。その後は防戦に回った日本が失点、1点取られると糸が切れ立て続けに失点~というお決まりのパターン。W杯のオーストラリア戦を彷彿させました。

それにしてもわずかなスキを逃さないオランダの一瞬の破壊力、これはとても魅力的でした。

テストされた本田はマイナス面ばかりが際立ってしまった試合となってしまったですね。ボールもあまり回ってきませんでしたし、ちょっと気の毒な印象です。

今の代表には前線からの守備が不可欠であることが証明された格好の中、今後本田はチームに合わせて守備に取り組むのか、それとも自らのスタイルを貫くのか?気になるところです。


「日本はゴール前20メートルまではいい攻撃だったが、そこから怖さがない。全く失点する気がしなかった。あれでは90分持たない」

マタイセンのコメントですが、辛口ながら日本の問題点が的確に指摘されてます。アタッキングサードからどういうカタチで得点していくのか?それとスタミナの問題ですね。

あの前半からのハイプレス。その時間帯は日本はいい戦いが出来た。けれどその後失速してしまった。あれでは90分持たないと指摘されています。ではどうしたらいいのか?

あらためて、今までやろうとしたことを90分やり切る、やり通すことをしない限り、なかなか勝ち目はないのではないか、と感じています。

試合後の岡田監督のコメントですが、それをやるしかない、やり切るしかないと考えているようです。まあ確かに前半はあのオランダに対して互角の戦いが出来ていたわけですから、これを90分出来るようになればベスト4もあながち夢ではないかもしれません。

ではあのハードワークを90分間やり切るということは具体的にはどういうことなのでしょう?90分もつように選手のスタミナをアップさせるということでしょうか?

でもスタミナをアップさせるといっても毎日マラソンするわけにもいかないでしょうしね(笑)。あと気合で走れといってもそれは限度がありますから。精神論だけでは克服できない部分も当然ある。あまり時間もありませんし。

そういった意味で90分やり通すということは、実はやや非現実的な話なのではないかと懸念しています。一方玉田はこう語っています。

「ハイプレスのまま90分間プレーすることは難しい。行けるときは行って、休むときには休むようなメリハリをつけていかないと。それが日本の特徴でも、難しいものは難しい」

一見ネガティブな玉田のコメント。ハイプレス90分は厳しいと捉えているようです。しかし玉田が言う「休むときには休むようなメリハリをつけていかないと」という部分は注目に値します。

常に100%取りにいくのではなく、80%くらい取りにいって20%くらいは休む。無駄なところは省きスタミナを温存する。あるいはボールを繋ぎながら休む。これならもしかしたらなんとか出来そうではないでしょうか。

強豪オランダの選手でさえあれでは90分もたないよと言ってるわけですから、逆に言えばオランダなどの世界のトップの国々は、当然そのように上手くメリハリをつけて90分もたせているというわけです。

そう考えていくと岡田監督の言う90分やり切るやり通すよりも、玉田の言う休むときには休むようなメリハリ、のほうがよほど現実的でオトナな意見のような気がします。


翻って考えると、前半のハードワーク⇒後半の失速⇒失点と、ジェフにも代表同様の悩ましい問題が横たわっていますね。またアタッキングサードにおける攻撃も同様に悩ましい問題です。江尻監督はハードワークを求め、走って走って走ると言っていますが・・・

岡田監督もそうですが、江尻監督がこれらの問題をどう解決していくのか?大いなる興味と大いなる期待を持って応援したいと思います。

ジェフに勝利あれ。Over。


最後までお読みいただきありがとうございます。
上のリンク(ジェフユナイテッド千葉ブログランキング)のクリックをお願いします。
皆さんのクリックが更新の糧となっていま~す。(# ̄ー ̄#)