僕がまだ小学生の頃、シーマンという
人の顔をした魚を育てるゲームがあった。
内容は、海からシーマンの稚魚を探して
そいつを捕まえて自分の水槽に入れて、
木の幹をめくったら出てくる幼虫を餌にあげ
育てていく。
徐々にシーマンは人の言葉を理解していき、
成熟した頃には同梱のマイクで
会話ができるようになる。
といったものだ。
当時小学校低学年くらいの
頭脳地数2くらいの僕は
おもむろにシーマンを捕まえて
水槽にぶち込んだ。
なにやら水槽に数字が表示されており、
「20」と映し出されている。
どうやらコントローラーで
数値を変えられるようになっている。
ポケモン全盛期の当時、
僕はだいたい四天王くらいのレベルの
ポケモンに美学を感じていた為、
その数字を「60」に設定した。
なにやら小声でシーマンが、
「ふぅー、ふぅー、ふぅー、」
と言い出している。
四天王クラスになれて嬉しいのかな?と
しばらく放っておいて学校に行った。
帰ってくると、、、
※写真はイメージです。
横たわり水槽の水面に先程捕まえたシーマンが
浮かび上がっているではないか。
どうやら数字は水温だったらしく、
僕は無意識化でシーマンを煮てしまっていた。
悪意のない殺人とはこのことかと、
当時愕然としたのを覚えている。
気を取り直し、シーマンの育成に励む。
今度はそこそこ育ってきていた。
同梱のマイクに向かって毎日語りかけた。
シーマンー、今日はねー、
シーマンー、お腹すいたー??
一向に返事はない。
そして成熟して大きくなったシーマン。
発する言葉は基本的にダルいなあー。
とか腹減った的なものだけで
こっちの問いかけに対して一切受け答えがない。
何故なんだ!?と考えに考えた。
マイクとPS2の間にケーブルが刺さってなかった
当時ミュージックステーション全盛期、
タモさんのマイクにケーブルとか
刺さってましたか??
マイク=タモさん
つまりそのシーマンのマイクも
僕はてっきりワイヤレスやと思ってました。
今思えば完全に独語を話してる
やばいやつでしかなかったし、
僕の育てたシーマンもただ餌を与えられて育った
人の顔をした魚でしかなかった。
翌日僕は叔母に頼んでヤフオクに
シーマンを出してもらった。
200円で売れた。
Fin


