発足集会で患者(手前)が語る病気のつらさに耳を傾ける住民たち(大津市日吉台1丁目・日吉台市民センター)
 滋賀県大津市日吉台の住民が、慢性的な頭痛や全身の倦怠(けんたい)感が続く「脳脊髄(せきずい)液減少症」に苦しむ少年の姿を目の当たりにし、病への理解を広め、治療体制確立を求める団体「脳脊髄液減少症を考える日吉台の会」を9日、立ち上げた。地域ぐるみで同症に取り組む団体は全国初という。
 同症は、交通事故やスポーツなどの衝撃で、脳や脊髄を保護する髄液が慢性的に漏れ出すとされるが、診断や治療のガイドラインはなく、治療に健康保険は適用されない。
 日吉台では昨年8月、日吉台小6年左嵜将太君(11)が学校で遊具から飛び降りて遊んでいた際、異常な衝撃を感じて気分が悪くなり、1週間後に体が動かせなくなった。
 当初は原因不明だったが、特別な検査で髄液漏れがあることが判明。一時は回復したものの、今も学校にはほとんど通えていない。
 学校が大好きでスポーツも得意だった将太君や家族の窮状に、住民の延與彰文さん(64)らが「何とかしないといけない」と、会の立ち上げを決めた。
 日吉台市民センターで開かれた発足集会には、予想の2倍以上に上る約200人の住民が集まった。同症の説明などに続き、県内外の患者らが「生きているのがつらい」と苦しさを訴えた。
 外見上は症状を理解してもらえないことから、将太君の母栄子さん(41)は「将太が歩ける時に2人で散歩をしても、人が通らない道へと足が向かう」と声を詰まらせた。
 会は今後、署名などで国や県に保険適用や早急な診断基準作成、学校に行きやすい環境整備を求めるという。


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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100510-00000008-kyt-l25

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