添乗員さん、肩代わりしているな | 言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

人の身体は、食べたもので作られる
人の心は、 聞いた言葉で作られる
人の未来は、話した言葉で作られる

いい言葉を聞いて、心を豊かにし
いい言葉を話して、明るい未来を作りましょう

先日は大阪で

来週は東京で添乗員研修を行います。

 

 

今年の研修テーマは、

「ヒューマンエラーはなぜ起きる?」

 ~許される人と許されない人の違いは?」

 

旅行業界におけるヒューマンエラーは

大きく3つの要因が考えられます。

 

 

1、添乗員が原因のヒューマンエラー

 例えば、

 人数が揃っていないのに出発してしまい

 置いてきぼりにしてしまうケース

 

2、関係機関が原因のヒューマンエラー

 例えば、

 オーバーブッキング

 予約を過剰に受け付けているため

 予定していた飛行機に乗れないケース

 

3、お客様が原因のヒューマンエラー

 例えば、時間を聞き間違えてしまい

 出発時間に遅れるケース

 

いずれのケースも”あるある”です。

 

 

特に3のケースは

国内でも海外でも名前を呼びながら探し回ったものです。

 



 戻って来ないお客様
 バスで待っているお客様

 どちらも心配

 もし、事故に巻き込まれていたら?
 もし、バスの中で暴動が起きていたら?

 早く見つかってくれ!

 

そんな不安と焦りの中、走り回っていたものです。

そして、お客様を見つけた時は
 「あぁ無事で良かった!」という安心感
 「これからどうしよう?」という不安感

 これらが心と頭を駆け巡りました。

バスに戻ると、

いや〜な空気が流れていて、無言の圧を感じます。
  
そんな時こそ、腕の見せ所!

 

 

バスに乗る前にそのお客様に言いました。
 

「私が先に乗ります。

 私が説明しますので、ご安心ください!」

そしてバスに乗る
冷たい視線を感じる
この冷たい視線を浴びるのは、添乗員である私が良い。
 
私に続き、お客様がバスに乗り、席に着く。
   
「大変お待たせいたしました」

バスの中は無言…
 

「出発が10分遅れてしまい、

 大変申し訳ございませんでした。
 私の伝え方が悪く、

 時間を勘違いされたようなのです。
 ご迷惑をおかけしてしまい、

 申し訳ありませんでした。
 次回、集合時間をお伝えする際は

 きちんと伝わるようにいたします。
 

 なお、遅れた時間につきましては、

 スケジュールに影響が出ないよう
 ドライバーさんと相談をしながら

 進めて参りますのでご安心ください

 それでは、次はどこそこへ参ります。
 到着前にはご案内いたしますので

 ごゆっくりなさってください。」

私はこんな風に言っていました。
 

多くのお客様は
“添乗員さん、肩代わりしているな”

と思ってくださっているし

遅れてきたお客様は
“次回は気をつけなくちゃ”と思ってくださる

もちろん、一番大切なのは

集合時間を守ってもらうことなので
バス車中でいかに伝えるかが

添乗員の腕の見せ所でもあります。
 

  
「皆さま、

 このバスは最新設備を兼ね備えており

 私が出発時間を言うと
 ドライバーさんがセットしてくれます。
 その時間になると、バスは自動発車する

 仕組みになっていますので、
 くれぐれも出発時間をお守りください。」


 「え〜っっ!」


「というのは冗談です。

 そんなバスがあればいいなぁという

 私の願望です。
 今は、皆さまのご協力が必要ですので、

 くれぐれも出発時間をお守りください。」


 「あ〜っ、良かった」


「それでは、到着です。
 出発時間は11:00、11:00です。
 今、ここにある装置に

 11:00とセットされましたので、

 それまでにお戻りくださいね。(笑)
 

 なお、次の目的地までは

 1時間ほどかかりますので

 お手洗いをお済ませの上

 お戻りください。
 それでは出発は11:00です。

 行ってらっしゃい」

 

 

バスを降りる際、

ドライバーさんの後ろを

まじまじと見ているお客様もいました。

 


ちょっとした言い方で

ヒューマンエラーを起こさないように

することができるんですよね。