一番得をしたのは、私でした | 言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

人の身体は、食べたもので作られる
人の心は、 聞いた言葉で作られる
人の未来は、話した言葉で作られる

いい言葉を聞いて、心を豊かにし
いい言葉を話して、明るい未来を作りましょう

来月から旅行割がスタートするようで

紅葉の観光シーズンに間に合った感じです。

 

観光地に賑わいが戻ることは嬉しいことで

きっと、旅行会社のツアーバスを

見かける機会も増えそうです。

 

 

以前、お客様と一緒に

京都のツアーに参加をしたことがあります。

 

 

私もお客として参加をしていますが

心の底から”お客様”にはなれず

お誘いしたお客様の動向に目がいってしまいます。

 

私のクセは、人数を数えてしまうこと。

 

バスに乗ったり

観光地で歩いている時など

つい、全員揃っているかを数えてしまうのです。

 

これをやってしまうと、

すぐに同業者とバレてしまいます。

 

この日は人数を数えないように

注意をしていましたので、

怪しまれることはありませんでした。

 

 

 

あるお寺を参拝した時のこと・・・

 

 

 

お誘いした方の中に

集中すると時間を忘れてしまう方がいたので

集合時間に遅れないように目を光らせていました。

 

しかし

最初の下車観光でやってしまったのです。

 

 

ち・こ・く

 

 

2名が戻って来ないのです。

 

 

やっちまった・・・

どうしよう・・・

 

 

ツアーが始まったばかりなので

お客様同士の交流もなく

バスの中はシラーッとしています。

 

幸い、私のお客様がいましたので

皆で心配をしていましたが

なかなか姿が見えません。

 

もう、こうなると探しに行くしかありません。

 

幸い、次の観光地までは距離も近いし

タクシーで移動すれば良いと思って

添乗員さんに言いました。

 

「私が残って探しますので

 バスを出発させてください」

 

一人、バスから降りて探しに行くと

違う路地で二人を見つけました。

 

二人は二人で、道に迷ってしまい

焦っている様子です。

 

「○○さん、大丈夫ですよ、

 バスは出発してもらいましたから

 ゆっくりタクシーで行きましょう」

 

「ごめんなさい」

 

 

三人で大通りに出ると

幸いというか、不幸というか

渋滞していてバスが見えました。

 

 

バスの中から手を振ってくださるお客様

必死に走ってバスに向かう私たち

 

何とかバスに乗ることができたのですが

この時の添乗員の目が怖かった・・・

 

 

「マイクをお借りしてもよろしいですか?」

 

「ご迷惑をおかけして 

 申し訳ございませんでした。

 次から気をつけます」と

手短に謝罪の言葉を述べて席に着くと

 

「よかった。心配してたのよ」

「ごめんなさい、迷っちゃって」

 

私はというと

心の中で祈っていました。

 

”もう皆の前で謝罪するシーンは

 ありませんように

 アーメン”

 

 

そして、こうも思っていました。

 

もし、私が添乗員なら

この三人をもっと気遣う(だろう)

 

二人には

「大丈夫でしたか?

 心配していました。」

 

そして私には

「ご協力いただき

 ありがとうございました。」と

 

 

集合時間の遅れたのは悪いことです。

 

しかし、あの時の目は

心の中の本性を物語っていました。

 

口には出さなど

顔が本音を物語っていました。

 

 

次の日、嵐山では・・・

 

私たちは時間に敏感になっているので

遅刻はしませんでした。

 

しかし、他のお客様が遅れてしまったのです。

 

嵐山では

土産屋の駐車場をお借りするのですが

似たような名前が多く、間違いやすいのです。

 

私たちは

「楽しかったですね」

「紅葉がきれいでしたね」と言いながら

バスの中で談笑していました

 

ようやく、10分近く遅れて

お客様がお見えになりました。

 

 

まさか、素人のお客様が

マイクで謝罪することはないだろう。

さて、添乗員さんはどうするのかな?

 

 

すると、開口一番

「今回のお客様はどうしたのでしょう?」と

まさに心の声を口に出してしまいました。

 

 

今回のお客様は

2回も集合時間を守らなかった。

いつもは時間厳守をしてくれるのに

一体、どうしたのでしょう?ということですよね。

 

 

この発言は、

まさに今、遅れてきたお客様に

過度のプレッシャーを与えてしまいます。

 

 

バツが悪そうに小さくなっているお客様

バスの中はシーンとしています。

 

口に出していい言葉

口に出してはいけない言葉

 

自分の信頼を高める言葉

自分の信頼を低くする言葉

 

 

添乗員の言葉って影響力があるな

 

そう、つくづく実感しました。

 

 

この嫌な空気を換えてくれたのは

京都の紅葉でした。

 

 

新幹線で東京駅に着き

お客様とお別れする際に言われたこと

 

「やっぱり、福田さんがいいわ」

 

「ありがとございます。

 また一緒に旅行しましょうね」

 

そう言って各自、家路に着いたのでした。

 

このツアーで、一番得したのは

まぎれもなく、私だったのかもしれません。

 

image

 

来月から始まる旅行割

また、様々なドラマが生まれるのでしょうね。