ある定時制高校の若者たち | 言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

人の身体は、食べたもので作られる
人の心は、 聞いた言葉で作られる
人の未来は、話した言葉で作られる

いい言葉を聞いて、心を豊かにし
いい言葉を話して、明るい未来を作りましょう

前職時代、ある定時制高校の

「キャリア教育授業」に呼ばれたことがあります。


私が担当したクラスは、

機械科の13名の生徒
(本当は20名いるらしいのですが、

 当日の出席人数は13名)


参加者の中には、

仕事をしてから学校に来る生徒もいました。
 

自閉症気味で

自分の意見を言えない生徒もいました。
 

パニック障がいを持っていて

感情の起伏が激しい生徒もいました。

 

授業開始にあたり、

先生が私のことを紹介してくれますが
見事に誰も先生の言うことを聞いていない!
 

私が話し始めても、傾聴とはほど遠い姿勢です。


旅行会社に就職したいと思ってないし!
接客業に興味持ってないし!
あんた(私)の話なんか聞きたくないし!
 
 

生徒たちの「声なき声」が聞こえてきそうです。

 



定時制に通うには

様ざまな理由があるのでしょうが
将来の目標を語ってもらうと

みんな“夢”があります。
  
 
 溶接家になりたい
 音楽関係の仕事をしたい
 世界一周をしてみたい
 機械関係の仕事に就きたい

 
 

などなど、

現状よりも良い生活を望んでいるのがわかりました。

 

昨日と同じ今日を過ごしていて輝ける未来はない

 

俄然、私のスイッチにもエンジンがかかり、
当初予定していた内容に加え
“就職試験で面接官はどこを見ているか?”

なども話しました。

 


 

すると、最初は斜に構えていた生徒も、

前のめりの姿勢に変わっていき、質問も出てきます。
 

────────────────────
・今まで行った旅行の中で

 思い出に残っている場所はどこですか?
・なんでパックツアーは安いのですか?
・僕はまだ就職が決まっていないのですが

 どこを直せばいいですか?
────────────────────
 

やはり旅行ネタは

距離感を縮めるのにもってこい

 

会場に一体感が生まれてきました。

人の不幸は蜜の味、

と言われるように

 

お客様との最高の出会いの話より

最悪のエピソードを聞いている方が楽しそう。

 

「集合時間になっても、

 お客様が戻って来ない時

 〇〇さんならどうする?」

 

途中で質問を挟むと

彼らなりに考えを述べてくれます。

 

開始時とは別人のように明るい表情

そうだよな、

根は素直な19歳です。


何事にも前向きにチャレンジしてほしい
 

 
 

最後に私からメッセージを送りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・これからは“自分ブランド”に

  磨きをかける時代
 ・他人と過去は変えられない
  変えられるのは自分自身
  昨日と同じ今日を過ごして、

  輝ける未来はない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
20歳になったら飲みに行く約束をして

学校を出たのは午後9時30分

 

無事に終わった安堵感と

心地良い疲労感に包まれ

家路に着いたのでした。


元気かな?

会いたいなぁ