福田の勉強日記\(^o^)/

福田の勉強日記\(^o^)/

日々の事や、勉強のことなど
地味に更新していきたいと思います。

あと、ここにあげている記事は単なる自己満足なので、
その辺をご理解いただきたいと思います。

Amebaでブログを始めよう!


今日は、数学Aでした。
集合とかだったので、
そこまで難しくは無かったです。

月曜日は、現代社会と英語Rです。
英語ほんっとに苦手なので、
頑張って勉強しますね~(ToT)/~~~


勉強とは全く関係のない話なんですが、
私将来自分の店を持ちたいんです。
カフェみたいな感じで。
今後、その将来の事についても、
更新すると思います\(^o^)/
たいした内容ではないと思うのですが、
見ていってやって下さいね~


国語bは小澤征良さんが書いた「自分の道」というのもてすと範囲です。
参考程度に流してください。




自分の道
小澤征良

今から何年も何年もあと、どこかで
溜息まじりに私はこう話すだろう。
森の中で道がふたつの分かれていて、私は___
私は通る人の少ない道を選んだのだったが、
それがすべてを変えてしまったのだ、と。

 これは、ロバート・フロストというアメリカの詩人の”The Road Not Taken’(「行かなかった道」)という詩の一部分。私はこの詩が大好きだ。私が高校に通いながら、受けていた個人授業中にアメリカン・スクールの国語の先生から教えてもらった。そのアメリカ人の先生は学校が休みになるとキャンバス地でできたリュックに自分の好きな本をたくさんつめて、ぶらっと旅に出てしまう。たいてい気の向くままにアジアの国をまわっていたみたいだった。「今月はタイに行こうと思います。」という具合に。
 先生は行った先々で観光をするわけではなかった。海辺や知らない町のカフェで心ゆくまで本を読んだりするらしかった。その先生が詩人の説明とともに要約して教えてくれた詩の内容は、以下のようなものだ。
 秋色が街をおおいはじめたある午後、詩の作者は黄葉した木々のなかを歩いてゆく。すると、林のなかで小道が二手に分かれる。ちょっと立ち止まり、どっちへ進もうか考えてみる。どちらの道も、木々に邪魔されて先が見えない。一方の道はすでに多くの人が通った形跡がある、もう一方はまだあまり人が通っていないようだ。立ち止まって考えた末、作者はまだ踏まれた形跡のない、草がぼうぼうとしている小道を行くことにした。そして彼は思う。___通る人の少ない道を選んだことが、すべてを変えたのだ、と。
 「これは、ただ散歩のときの話を詩にしているのではく、人が人生と向き合うことを語っているんだよ。」と先生が私に言った。散歩のような日々の生活の小さなことのなかに、そんな大きなことを見ることができること。そして、それを詩という形で表してしまう作者に感動したのを、とてもよく覚えている。
 そして、もしも私だったら、どうしただろう、と考える。もしかしたら不安になって、みんなが通ったほうの道を選んでしまうんじゃないだろうか。私には、あまり人が通ったことのない道をあえて選ぶ勇気があるだろうか、と。
 オペラ歌手である友人のことを考えてみた。彼はあまり人が通ったことのない道を進んでいる人だ。私より少し年上のアメリカ人で、大変な苦労をしながら今の歌手としての地位を築きあげてきている。奨学金をもらって学校にゆき、日々ものすごい努力をして自分の才能だけをたよりに自らの道を切り開いてきた。
 オペラ歌手は、オペラのプロダクションに入るたびに、見知らぬ外国の街で約一ヶ月の間、練習や公演のために滞在しなくてはいけない。とても孤独な職業だ。
「僕は一生、結婚できないんじゃないか、ってそう思うよ。」
彼の寂しそうな言葉が重く響いた。
「だって、こんなにいろんなところを転々とする生活をしていて、結婚生活がうまくいくわけはないもの。僕はそれを感じていたけど、歌手になっちゃったんだから、しょうがないよね。」
彼のご両親は恵まれない人生を送っていて、その結果、彼に精神的にもつらい思いをさせてしまうことがあるという。彼の成功を喜ぶより、金銭的なものを求めたりすることもあったようだ。そんな彼にとって幸せな結婚生活を営むこと、心を許せる家族をもつことは、何よりも望んでいることのはずだ。自分が望んでいるものを与えてくれないかもしれない道をあえて選ぶこと___それはとても勇気のいる決断だっただろうと思う。
 私のよく知っている人でもう一人、あまり人が入ってゆかなかった道を、あえて自ら選択した人が思い浮かぶ。
 血はつながっていなかったけど、私の伯父さんのような人だったタカベェ、藤江孝。私が生まれて母がすぐに電話した三人のうちの一人。タカベェは父の兄貴分のような人で、私は今まで毎夏を家族とタカベェとアメリカのタングルウッドで過ごした。彼は彫刻家としてパリに三十年以上暮らしていた。大学を卒業し、ある映画会社の仕事をしたのちに渡仏した。自分の彫刻を追及するために。
 亡くなるぎりぎりまで、元気がありあまっているような人だった。登山家で、ガンジーのように細くても強い体をして、自分の哲学をもっていた、やや変わり者の頑固なおじさん。
 タカベェは幼かった私が怖がるようなことをわざとよくした。たぶん、タカベェはものすごいテレ屋だったのでストレートにかわいがることができなかったのだろう。それでも私は彼を親と同じように信頼していた。
 亡くなる前のタカベェはどこから見ても元気に見えた。だれも思いもよらなかったが、元気そうにふるまっていた彼の身体は病に蝕まれていた。きっと自分でも身体が痛くて「何か、おかしい。」と感じていたのかもしれない。それまで飲んでいたワインを「節約のため。」と言ってやめたり、「腰が痛いから。」と突然ヨガのような運動をはじめたり。命の終わりを、たった一人で予感していたのかもしれない。
 そんなとき、タカベェの身体の変化などまったく知らなかった私は、自分のことで精いっぱいだった。小学校から行き続けた学校の大学へこのまま進むか、まったく違う世界へ行ってみるか。アメリカの大学に行くことも考えていた。だけど、決められなかったのはきっと勇気がなかったからだ。
 小さなことで喧嘩をしていた最中にむすっとしたまま、タカベェは私に言った。
「結果的にダメでもいいから、やりたいことをやってみろ。金はないけど、おれでできることなら何でもやってやる。」
 そのころタカベェはよくいらついたように独り言をつぶやいていたのを覚えている。
「まったく、おれには時間がないんだよ。」
 自分のことを差し置いたタカベェの言葉が背中を押してくれたおかげで、私はやっと「やってみようか。」という気になれた。怖かったけれど、あのとき、決断できたことは、私にとってすべてを変えてくれた。その変化がなかったとしたら、今の自分はどうなっていたのか、想像もつかない。
 最後まで自分の道を突き進んだタカベェの姿と言葉がロバート・フロストの詩と重なった。

























行かなかった道
ロバート・フロスト
駒村利夫 訳

黄ばんだ森の中で道がふたつに分かれていた。
口惜しいが、私はひとりの旅人、
両方の道を行くことはできない。長く立ち止って
目のとどく限りを見渡すと、ひとつの道は
下生えの中に曲がり込んでいた。

そこで私はもう一方の道を選んだ。同じように美しく、
草が深くて、踏みごたえがあるので
ずっとましだと思われたのだ。
もっともその点は、そこにも通った跡があり
実際は同じ程度に踏みならされていたが。

そして、あの朝は、両方とも同じように
まだ、踏みしだかれぬ落ち葉の中に埋まっていたのだ。
そうだ、最初眺めた道はまたの日のために取っておいたのだ!
だが、道が道に通じることはわかってはいても、
再び戻ってくるかどうかは心許なかった。

今から何年も何年もあと、どこかで
溜息まじりに私はこう話すだろう。
森の中で道がふたつに分かれていて、私は___
私は通る人の少ない道を選んだのだったが、
それがすべてを変えてしまったのだ、と。


国語b(現代文)ではももというのがてすと範囲です。

見にくいですが、一応あげときます。
参考にして下さい。





モモ    完全無欠のビビガール
ミヒャエル・エンデ
大島かおり 訳

 大きな都会のはずれにある円形劇場の廃墟に、奇妙な格好をした女の子が住みつきました。彼女の名前はモモといい、不思議な能力を持っていました。聞き上手のモモに話を聞いてもらうことで近所の人々は心が穏やかになりました。それに、子どもたちはモモの想像力ゆたかな話に夢中になり、楽しく遊べるようになったのです。そんな町に灰色の男たちがあらわれます。彼らは人々に時間を節約して、時間を貯蓄することをすすめていったのです。

 それからしばらくして___特別に暑苦しい昼下がりのことでした。___モモは廃墟の石段にお人形をひとつ見つけました。
 近ごろでは、ほんとうの遊びには使えないような高価なおもちゃを子どもが置き忘れていってしまうことが、よくありました。でもこの人形を子どもたちのだれかが持っていたという記憶は、モモにはありませんでした。もしだれかが持ってきたものなら、きっとモモも気がついていたはずです。なにしろこの人形はそれこそ特別な人形だったのですから。
 大きさはモモとほとんど同じくらいもあって、本物の人間と見まちがえるくらいに自然そのままにできていました。でも子どもとか赤ちゃんとかの感じではなくて、おしゃれなご令嬢、あるいはショーウィンドーのマネキンといったいでたちです。スカート丈のみじかい赤い服を着て、かかとのところがベルトになっているハイヒールをはいています。
 モモは吸いつけられるように人形をながめました。しばらくそうしていたあと、手をのばしてさわってみると、人形はまぶたを何回かパチパチとさせ、口を動かして、まるで電話から聞こえてくるようなキーキーした声でものを言いました。
「こんにちは。あたしはビビガール、完全無欠なお人形です。」
 モモはぎょっとしてとびずさりましたが、思わずこう答えてしまいました。
「こんにちは。あたしはモモよ。」
 するとまた人形は口を動かしました。
「あたしはあなたのものよ。あたしを持っていると、みんながあなたをうらやましがるわ。」
「あたしのものだなんて、信じられないわ。」
 モモは人形を持ちあげました。するとまたそのくちびるが動いて、こう言いました。
「あたし、もっといろいろなものがほしいわ。」
「そう?」とモモは答えて、考えこみました。「あたしの持ってるもので、あんたに合うものがあるかしら。でもちょっと待って、あたしのものを見せてあげるわ。気にいったものがあったら、そう言ってくれればいいもの。」
 モモは人形をかけて石段をおり、かべの穴から部屋にもぐりこみました。そしてベッドの下から宝物のつまった箱を引っぱり出して、ビビガールのまえに置きました。
「ほら、これがあたしの持ち物の全部よ。気に入ったものがあったら、そう言って。」
 きれいな色の鳥の羽、すてきな斑点の入っている石、金色のボタン、色ガラスのかけら、こういうものをモモはつぎつぎに取り出して見せました。でも人形はなにも言いません。モモは人形をトンとつっついてみました。
「こんにちは。」と、人形はキーキー声をあげました。「あたしはビビガール、完全無欠なお人形です。」
「それはもうわかったわ。でもあんたは、なにかほしかったんでしょ、ビビガール。ほら、ここにきれいなバラ色の貝殻があるわよ。どう?」
「あたしはあなたのものよ。あたしを持っていると、みんながあなたをうらやましがるわ。」
「もうそのことはさっき聞いたわよ。あたしの持っているものがほしくないんなら、なにかして遊ぶことにしない?」
「あたし、もっといろいろなものがほしいわ。」と、人形はまた繰り返しました。
「これしきゃないのよ。」
 モモはこう言うと人形をかかえて、また外に出ました。そして完全無欠なビビガールを下におろして、向きあって腰をかけました。
「さあ、お客さんごっこをしましょうよ。」
「こんにちは。あたしはビビガール、完全無欠なお人形です。」
「まあ、来てくださってうれしいわ!お嬢様はどこからおいでになりましたの?」
「あたしはあなたのものよ。あたしを持っていると、みんながあなたをうらやましがるわ。」
「だめよ。」とモモが言いました。「そんなに同じことばかり言ってちゃ、遊べないじゃないの。」
「あたし、もっといろいろなものがほしいわ。」と人形は答えて、カタカタ音をたててまばたきました。
 モモは別の遊びをやってみました。それもうまくいかないので、またべつの、そしてまたべつの遊びと、いろいろためしてみました。けれどどうにもなりません。人形がなにも言いさえしなければ、モモがかわりに答えてあげられますから、すてきな会話がすすむでしょうが、ビビガールときたらなまじものを言うために、かえって話をみんなぶちこわしてしまうのです。
 しばらくすると、モモはいままでに一度も感じたことのなかったような気持ちにとらわれました。生まれてはじめての気持ちだったもので、それが退屈さだとわかるまでに、だいぶ時間がかかりました。
 モモはどうしていいかわからなくなりました。できることならこの完全無欠なお人形なぞほっぽりだして、なにかべつの遊びをしたかったのですが、どういうわけか人形からはなれることができません。
 ですからモモはじっと座ったまま人形を見つめていました。人形のほうも、青いガラスの目でモモをじっと見ています。まるで両方がたがいに催眠術をかけあっているみたいでした。
 やっとのことでモモは心をきめて人形から目をそらしました。___するとどうでしょう、すぐ近くにしゃれた型の灰色の自動車がとまっているではありませんか。いつ来たものか、モモはちっとも気がつきませんでした。自動車の中には、クモの糸のような色の服を着て灰色の堅いぼうしをかぶった紳士がいて、小さな灰色の葉巻を吸っています。顔色まで灰そのものの色でした。
 その紳士はさっきからモモのことを観察していたのでしょう、彼女がふり向くと笑ってうなずきかけてきました。きょうはすごく暑い日で、照りつける太陽に空気まで燃えているようなのに、急にモモは寒けがしだしました。
 紳士は車のドアを開けて外に出ると、モモに近づいて来ました。手には鉛色の書類かばんをさげています。
「きみの持ってる人形はすごいね!」と、紳士は奇妙に抑揚のない声で話しかけました。「遊び友だちのみんなから、うらやましがられるだろうね。」
 モモは肩をすくめただけで、なにも言いませんでした。
「きっと値段も高かっただろうね?」
「知らないわ。」とモモは困ってつぶやきました。「拾ったんだもの。」
「なんだって!それじゃあきみは、まさに幸運児だね。」
 モモはだまったまま、ぶかぶかの男ものの上衣のまえをぎゅっとだきあわせました。ますます寒くなってきたのです。
「ところがきみは、」と、灰色の紳士はうす笑いをうかべて言いました。「そううれしそうでもないね。」
 モモはかすかにうなずきました。なにか急に、世の中から楽しいことがすっかり消えてしまったような___というより、世の中に楽しいことなどあったためしがない、というような気がしてきました。そして、いままで楽しいと感じたのは、ただそう思いこんでいただけだったようです。けれどもそれと同時に、それはちがうぞと警告する声が自分の心に聞こえたような気もしました。
 「わたしはきみをしばらく見ていたんだがね。」と、灰色の紳士はつづけました。「どうもきみは、こういうすばらしい人形との遊び方をまるっきり知らないようだね。ひとつわたしが教えてあげようか
?」
 モモはびっくりして紳士をながめ、うなずきました。
「あたし、もっといろいろなものがほしいわ。」と、急に人形が言いました。
「ほら、ごらん、この人形は自分からきみにしゃべりかけているんだよ。こういうすばらしい人形と遊ぶには、ほかの人形と同じやり方じゃだめだ、そりゃ当然だよ。この人形はふつうの遊び方のために作られたんではないんだ。おもしろく遊ぶには、この人形になにかあげなくちゃだめだよ。いいかい、見てごらん!」
 紳士は自動車のところに行って、うしろのトランクを開けました。
「まず、洋服がたくさんいるよ。たとえばほら、これはすてきなイヴニングドレスだ。」
 彼はそれととり出して、モモのほうに投げてよこしました。
「こんどは本物のミンク毛皮のコート。これは絹のナイトガウン。これはテニスの服。これはスキー服。これは水着。乗馬服。パジャマ。ネグリジェ。またべつの洋服。ほれもうひとつ。もうひとつ。もうひとつ・・・・・・。」
 彼はつぎからつぎへと服を投げてよこしました。モモと人形のあいだに、だんだんうず高く服の山ができました。
「さてと、」と紳士は言って、またうす笑いをうかべました。「これだけあれば、しばらくは遊べる、そうだろ?でも二、三日するとまた退屈してしまいそうだね?そうなったら、またもっといろいろなものを使って遊べばいいんだ。」
 彼はまたトランクにかがみこんで、いろんなものを出してはモモに投げてよこしました。
「たとえばほら、これはヘビ皮の本物の小さいハンドバッグだ。中には本物の小さい口紅と、粉おしろいのコンパクトが入っているよ。こっちは小さな写真機。これはテニスのラケット。これは人形ようのテレビ、ちゃんと映るんだよ。これはブレスレット、ネックレス、イヤリング、人形用のピストル、絹の靴下、革のぼうし、麦わらぼうし、春のぼうし、ゴルフのクラブ、小さな銀行小切手帳、香水のびん、浴用香料、マッサージ用スプレー……。」
 紳士はここでちょっと休んで、モモの様子をうかがいました。モモは山のような品物にうずまって、驚きのあまりぼんやりしてしまっています。
「わかったかね、簡単なことなんだよ。つぎからつぎへといろんなものを買ってくれば、退屈なんてしないですむんだ。でもひょっとするときみはこう思うかもしれないね、完全無欠なビビガールにありとあらゆるものがそろってしまう日がくる、そうしたらやっぱり退屈してしまうかもしれないって。だがね、その心配はないんだよ!つまりね、ビビガールにはお似合いの仲間がいるんだ。」
 こう言って彼はトランクからもうひとつの人形を取り出しました。それはビビガールとまったく同じ大きさで、まったく同じに完全無欠な人形でしたが、ただこっちは若い男でした。灰色の紳士はそれを完全無欠なビビガールとならべて置いて、説明しました。
「これはビビボーイだよ!この人形にもやっぱり、たくさん、たくさんの付属品がある。そしてこれにもあきてしまったら、こんどはまたビビガールの女友だちがいるんだ。その人形にも、彼女だけに合う専用も持ち物がある。ビビボーイにも男の友だちがいて、それがまた男と女の友達を持っている。どうだ、これでわかっただろう。もうけっして退屈するなんてことはいらないんだ。いくらでも新しいものがあるんだから。それにほしいものなら、考えればまだまだあるはずだよ。」
 彼はこう話ながら、つぎつぎと人形を自動車のトランクから出してきました。いくら出してもトランクの中身はつきないようです。モモはそれらの品々にぐるりと取り囲まれて、あいかわらず身動きひとつせず、むしろこわいものでも見るように灰色の紳士をながめていました。
「どうだね?」とようやく彼は言って、葉巻のけむりをもくもくと吹きあげました。「こういう人形の遊び方が、これでわかったかね?」
「そりゃ、もうよくわかったけど。」とモモは答えました。いまでは、寒さにからだがガタガタふるえだしています。
 灰色の紳士は満足そうにうなずいて、葉巻をひと息吸いました。
「このすてきなものを全部もらえたら、もちろんきみはうれしいだろうね?いいよ、みんなきみにあげよう!全部あげる。___でもむろん全部一度にじゃなくて、ひとつずつだよ!___このほかにも、もっともっとたくさんだ。お返しになにかする必要なぞないよ。わたしが教えたとおりにそれで遊んでくれるだけでいいんだ。どうだね?」
 灰色の紳士はうれしそうな反応を期待してモモに笑いかけましたが、彼女がなにも言わずまじめな顔で彼の目を見返すばかりなのを見て、いそいで言い足しました。
「そうなればきみはもう友だちなんかいらないだろう?こんなすてきなものがあって、そのうえもっともっともらえるとなれば、ひとりで十分楽しめるじゃないか。そうしたいんだろう?このすばらしい人形がほしいんだろう?ぜひともほしいんだろう?」
 モモはぼんやりとながらも、自分がある戦いに直面している、いや、すでに戦いのなかに巻きこまれている、と感じました。けれどもそれがなんの戦いなのか、だれにたいしてする戦いなのかは、わかりません。なぜかというと、この訪問者の話すことを聞いていればいるほど、さっき人形と遊んだときのようになってくるからです。つまり、話す声は聞こえるし、ことばは聞こえるのですが、話す人の心は聞こえてこないのです。モモはかぶりをふりました。
「なんだって?どうしたんだ?」と灰色の紳士は言って、まゆをつりあげました。「これじゃまだ足りないっていうのか?まったくいまどきの子どもときたら、やたらと要求が高いんだから!この完全無欠な人形にいったいなにが不足なのか、教えてくれないか?」
 モモは足もとに目をおとして、考えこみました。
「あたしは思うんだけど、」と、彼女は小さな声で言いました。「この人形じゃ、好きになれないわ。」
 灰色の紳士は長いことおしだまっていました。人形と同じに、ガラスのようなうつろな目でまえを見ています。でもようやく気を取り直すと、冷やかな声で言いました。
「そんなことは問題じゃない。」
 モモは相手の目をうかがいました。この男はどういうわけか人を不安にさせます。とくに目から伝わってくる冷ややかさがいけません。けれど不思議なことに、なぜか理由はわかりませんが、この男がかわいそうにも思えました。
「でもあたしの友だちなら、あたしは好きよ。」とモモは言いました。
 灰色の紳士は、まるで急に歯が痛みだしたように、顔をゆがめました。





いまはむかし、たけとりのおきなというものありけり。
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいたのだった。



のやまにまじりてたけをとりつつよろずのことにつかいけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。

野山に分け入って、竹を取っては、色々な事に使ったのだった。



なをばさぬきのみやつことなんいいける。
名をば、さぬきの造となむ言ひける。

その名をさぬきの造と言ったのだった。


そのたけのなかに、もとひかるたけなんひとすじありける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。

その竹の中に根元の光る竹というのが、一本あったのだった。


あやしがりて、よりてみるに、つつのなかひかりたり。
あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

不思議に思って、寄って見てみると、筒の中が光っている。



それをみれば、さんすんばかりなるひといとうつくしゅうていたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

それを見ると、三寸ぐらいの人が、大変可愛らしく座っていた。


おきないうよう、「われあさごとゆうごとにみるたけのなかにおわするにてしりぬ。こになりたもうべきひとなんめり。」
翁言ふやう、「われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて知りぬ。子になりたまふべき人なめり。」

翁が言うには、「私が毎朝、毎晩見る竹のなかにいらっしゃる、その縁であなたを知った。あなたは我が子におなりになるはずの人のようだ。」


とててにうちいれて、いえへもちてきぬ。
とて手にうち入れて、家へ持ちて来ぬ。

と言って、手の中に入れて、家に持って帰ってきた。


つまのおうなにあずけてやしなわす。
妻のおうなにあづけて養はす。

妻であるおうなに任せて育てさせる。


うつくしきこと、かぎりなし。
うつくしきこと、かぎりなし。

かわいらしいことはこの上もない。


いとおさなければ、こにいれてやしなう。
いとをさなければ、籠に入れて養ふ。

とても幼いので、籠に入れて育てる。


たけとりのおきな、たけをとるに、このこをみつけてのちにたけをとるに、ふしをへだてて、よごとに、こがねのあるたけをみつくることかさなりぬ
竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけて後に竹取るに、節を隔てて、よごとに、黄金ある竹を見つくること重なりぬ。

竹取の翁が、竹を取るとき、この子を見つけてから後に竹を取ると、節と節の間に黄金が入っている竹を見つけることが重なった


かくて、おきな、ようようゆたかになりゆく。
かくて、翁、やうやう豊かになりゆく。

こうして、翁はだんだん豊かになっていく。



このこ、やしなうほどに、すくすくとおおきくなりまさる。

この児、養ふほどに、すくすくと大きくなりまさる。

この子は、育てるうちにすくすくと大きく成長する。


みつきばかりになるほどに、よきほどなるひとになりぬれば、かみあげなどとかくしてかみあげさせ、もきす。

三月ばかりなるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどとかくして髪上げさせ、裳着す。

三ヶ月ぐらいになるころ、一人前の大人の大きさになったので、髪上げなどの、お祝いをあれこれして、髪を上げさせて、裳を着せる。



ちょうのなかよりもいださず、いつきやしなう。
帳の内よりも出ださず、いつき養ふ。

帳の中からも出さず、大事に育てる。


このこのかたちのきよらなることよになく、やのうちはくらきところなくひかりみちたり。

この児のかたちのきよらなること世になく、屋の内は暗き所なく光満ちたり。

この子の容貌の美しいことは、世に類ないので、家の中は暗い所がなく、光が満ちている。


おきな、ここちあしくくるしきときも、このこをみればくるしきこともやみぬ。
翁、心地悪しく苦しき時も、この子を見れば苦しきこともやみぬ。

翁が、気分がすぐれず苦しいときも、この子を見れば、苦しいこともなくなってしまう。


はらだたしきこともなぐさみけり。
腹立たしきことも慰みけり。

腹立たしいことも、慰められるのだった。








今回の古典のてすとの範囲は、竹取物語です。

どこをどう勉強していいか、全然分からないのですが、
とりあえず、本文と現代語訳と現代仮名遣いぐらいは
覚えようかなと思っています。




[本文]


今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきの造となむ言ひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。
あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
翁言ふやう、「われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて知りぬ。
子になりたまふべき人なめり。」
とて手にうち入れて、家へ持ちて来ぬ。
妻のおうなにあづけて養はす。
うつくしきこと、かぎりなし。
いとをさなければ、籠に入れて養ふ。
竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけて後に竹取るに、
節を隔てて、よごとに、黄金ある竹を見つくること重なりぬ。
かくて、翁、やうやう豊かになりゆく。
この児、養ふほどに、すくすくと大きくなりまさる。
三月ばかりなるほどに、よきほどなる人になりぬれば、
髪上げなどとかくして髪上げさせ、裳着す。
帳の内よりも出ださず、いつき養ふ。
この児のかたちのきよらなること世になく、
屋の内は暗き所なく光満ちたり。
翁、心地悪しく苦しき時も、
この子を見れば苦しきこともやみぬ。
腹立たしきことも慰みけり。



〔現代語訳〕


今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいたのだった。
野山に分け入って、竹を取っては、色々な事に使ったのだった。
その名をさぬきの造と言ったのだった。
その竹の中に根元の光る竹というのが、一本あったのだった。
不思議に思って、寄って見てみると、筒の中が光っている。
それを見ると、三寸ぐらいの人が、大変可愛らしく座っていた。
翁が言うには、「私が毎朝、毎晩見る竹のなかにいらっしゃる、その縁であなたを知った。
あなたは我が子におなりになるはずの人のようだ。」
と言って、手の中に入れて、家に持って帰ってきた。
妻であるおうなに任せて育てさせる。
かわいらしいことはこの上もない。
とても幼いので、籠に入れて育てる。
竹取の翁が、竹を取るとき、この子を見つけてから後に竹を取ると、
節と節の間に黄金が入っている竹を見つけることが重なった
こうして、翁はだんだん豊かになっていく。
この子は、育てるうちにすくすくと大きく成長する。
三ヶ月ぐらいになるころ、一人前の大人の大きさになったので、
髪上げなどの、お祝いをあれこれして、髪を上げさせて、裳を着せる。
帳の中からも出さず、大事に育てる。
この子の容貌の美しいことは、世に類なく
家の中は暗い所がなく、光が満ちている。
翁が、気分がすぐれず苦しいときも、
この子を見れば、苦しいこともなくなってしまう。
腹立たしいことも、慰められるのだった。


(現代仮名遣い)

いまはむかし、たけとりのおきなというものありけり。
のやまにまじりてたけをとりつつよろずのことにつかいけり。
なをばさぬきのみやつことなんいいける。
そのたけのなかに、もとひかるたけなんひとすじありける。
あやしがりて、よりてみるに、つつのなかひかりたり。
それをみれば、さんすんばかりなるひといとうつくしゅうていたり。
おきないうよう、「われあさごとゆうごとにみるたけのなかにおわするにてしりぬ。
こになりたもうべきひとなんめり。」
とててにうちいれて、いえへもちてきぬ。
つまのおうなにあずけてやしなわす。
うつくしきこと、かぎりなし。
いとおさなければ、こにいれてやしなう。
たけとりのおきな、たけをとるに、このこをみつけてのちにたけをとるに、
ふしをへだてて、よごとに、こがねのあるたけをみつくることかさなりぬ。
かくて、おきな、ようようゆたかになりゆく。
このこ、やしなうほどに、すくすくとおおきくなりまさる。
みつきばかりになるほどに、よきほどなるひとになりぬれば、
かみあげなどとかくしてかみあげさせ、もきす。
ちょうのなかよりもいださず、いつきやしなう。
このこのかたちのきよらなることよになく、
やのうちはくらきところなくひかりみちたり。
おきな、ここちあしくくるしきときも、このこをみればくるしきこともやみぬ。
はらだたしきこともなぐさみけり。
おきな、たけをとること、ひさしくなりぬ。
いきおいもうものになりにけり。