近頃、自分に残された時間のことをよく考える。
これまで過ぎた時間に比べればそう長くはない時間がまだ手元にある。
今まで当たり前だったことがもう当たり前ではなくなる。
この肉体、この視点、この感情
色を合わせて着飾ることも
ピアスを選ぶことも
好きなものを食べることも
セミを捕まえたり
蟻を眺めたり
アジサイの新芽を見守ったり
お気に入りの彦一とんちばなしを何度も聞いたり
モドリッチの情報を追いかけたり
ちっとも上達しない英語の予習をしたり
洗濯物を干したり・・・
いつかは手離すんだな。
そのことを考えるとたまらなく愛しさが湧き上がってくる
全てが移ろう
変わらぬものなどなく、
全てが変化していく
だからこそ「今」を大事にしたい
いつかは失うものだから
花びらの手触り
口につく言い回し
コーヒーの香り
通り過ぎる風
いつかもう戻れない日が来る
なんと贅沢な世界に生かされているのだろう
こんな世界に居られることが奇蹟なんだろうな
煩わしささえ愛おしい
やっかいごとすら貴重に思える
たくさんのキラキラに囲まれて
なんだか優しさがあふれてくる