前野智彦 + 三田健志
 

『「かつての人間の痕跡」が眠る樹海は、現在にあって、未来を、経験の条件を越え出たものを算出するための、密室、 実験室である。』
 
ある日「研究者」と名乗る人物から一通のメールを受け取る。そこに記された「かつての人間の
痕跡を探してほしい」という依頼に導かれ、添付されていた地図を手に、樹海へと入っていく…。
 真意の見えない依頼を受け「かつての人間の痕跡」に出会い、人為とは何であるのかについて、思考を強いられ困惑する。
 前野の差し出したドラマシリーズ(EP9) ※ と、三田の作品( 三層のレイヤーからなる1 枚のプリント) から構想された本作は、人造湖が時を経て、樹海へと変貌した未来の出来事をフィクションの形式で描きあげる。
 「研究者」の部屋の一部を模した空間には、映像に関連する資料やオブジェクトが配置される
ほか、映像には登場しない「観察者」の視点が密かに挿入され、ひとつの「経験」には、それを経験した内部からはアクセスできないレイヤーが存在することを示唆している。

※「島」に取り憑かれた冒険家を巡るドラマシリーズ。本展では最新作のEP 9(前野智彦)と、EP10(前野智彦 + 三田健志)が上映される。





Direct Access Method


前野智彦 + 三田健志
Laboratory / drifter
映像/ ボート/ 写真/ レンズ/ 方位磁針 etc
2013