「翔ぶが如く」村田新八は、事情が知りたい。 その夜、かれの東京の自宅で高橋新吉が、 「海老原にきけばどうか」 と、いった。 海老原は西郷の辞職とともに活動を開始し不平の徒をあつめているそうだ、と高橋がいうと、村田は一笑に付した。 「そういう人間にきいたところで仕方がない」 物事というのは人間の料簡によって見方がちがうのだ、海老原ごとき小器量の人物にきいたところで何になろう、と村田はいうのである。