言葉が分からない以外、困ることはなかった。
高速バスに乗った時に、突然、公安か警察か分からないけれども、乗り込んできて、何か叫んで、乗客一人ひとりをビデオカメラで撮って行ったのは、怖かった。ドラマか映画の世界みたいなのが、現実にある。
青年オリンピックがあるために、警戒が厳しくなっていると、後から聞いた。
何が何だか分からない旅だった。
目的はクリアしているが、帰国してから、
見る女性すべてが中国人に見えた。
外見は変わらない、というより、
中国は、それくらい多様な人たちの集まりで、
時代や国策のどうしようもないような大きなうねりの中で、玉石混合のごった煮のような人生や生活をしているように思えた。
よく分からない例えになるけれども、
ブランド店だけが並ぶような通りがあったとすれば、
ヴィトンの隣にヴィトンの偽物を売る店が並んでいる、みたいな。
高層ビル群の隣には、昭和のような建物群があって、片っ端から壊され更地に変えられている。
わずか10年そこらで激変する国とは、そういうものなのかもしれない。
また行ってみたい、と思えるのは何故なんだろう。
不思議。