久しぶりに経済系の本を読んだ。
この本を要約すれば、「バブルはあとから振り返ればあのときバブルだった、とわかるがそのときはわからない」という通説を否定している。つまりバブルは機関投資家などのプロが作り出し、それに乗っかり、利益を得ているというのがこの本の主張。なぜなら投資のプロはバブルがなければ儲けることができないから。
それがこの本の要旨なのだが、私が気になったのは実はそこではなく以下の2つ。
現金化したいときにできないという流動性リスクを考慮することは投資においては極めて重要である。
p39より引用
本を読んでいて「極めて重要」という言葉が出てきたら最大限の意識を向けなければならない。著者が言いたいことが集約されている可能性が非常に高い。ホリエモンのライブドアショックの時に超小型の銘柄は買う人がおらず、それを保有していた個人投資家はただひたすら下落を被り続けなければならなかったとある。清原達郎氏も小型株を勧めているがこの本を読んで金融のショックのときには強さを感じた。
バブルの多くは、1度目の暴落では崩壊しないが、2度目以降の暴落は崩壊に繋がる可能性が高い。
p161より引用
いい例がサブプライムショックを経てからのリーマンショック。サブプライムショックからのリーマンショックには参った。投資家として駆け出しの私に投資の恐ろしさを知らしめた忘れもしない経験。資産は3分の1になった。それ以来、株式全振りの投資は止めた。まあ、私の経験はいいとして重要なのは1回目の大幅な下落があったとしてもそれで終わりではなく2回目の下落の可能性がありそれは相当なものになるということ。
これを考慮すると1回目の暴落で資金をすべて注ぎ込んではならず2回目の暴落の可能性をも考慮してある程度資金は残しておかないといけないということか。やはりいくらインフレになった現在といえども普通預金・定期預金・国債はある程度は保有しておかなければならない。バフェットが常に大量の現金を用意しているのも理解できる。
久しぶりに勉強になる一冊であった。ちまたに売られている「10倍株で儲ける」、「月〇〇万円を実現する配当株投資」などの数カ月で賞味期限が切れてしまう投資ハウツー本より新書の700円ほどの経済本を読んだほうが数百倍の価値がある。
