敗者のゲームでお馴染みのチャールズ・エリス氏の本。彼の過去の論文をまとめたような本と言える。

 

 

いくつか名言があったので引用させていただきたいと思う。

 

''売る時にエネルギーを使ってみよう。'' p72

 

誰もが彼もが買うときばかりにエネルギーを集中させている。しかしながら売るときにエネルギーを注ぐ人はほとんどいない。売りは買いの100倍難しい。それなので売りに集中してみようという提言。

 

 

''中庸こそ最善の道である。''  p299

 

何事も極端に言ってしまう。私の友人に株式の比率が99%の人がいる。株式市場が上げているときはいいが暴落のときには全く追加する資金がない。結局は株式をメインとしつつREIT・ゴールド・現金をバランスよく持っているというのが最強なのだろう。

 

 

’’今となっては市場で掘り出し物を見つけるために分析しようとは思わない’’ p301

 

誰を隠そうこれはウォーレン・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムの言葉である。証券分析や懸命なる投資家を執筆した彼でも晩年は銘柄選択の有用性はなくなったと考えていた。やはり個別銘柄は市場が暴落した時に投資するに限る。

 

とまあ、私が気になったところを取り上げてみた。チャーリズ・エリスの敗者のゲームの内容のようなことがメインで書かれているので目新しいことはないのだがところどころ刮目する文章が出てくるので投資マニアの人は本棚に入れておいてもいいかなと思う一冊。