環境生活委員会の調査で訪れた新ひだか町に続いて釧路でも、エゾシカ対策について意見交換会が行われた。

自治体からは、今や"災害"の域にはいっている。今すぐに緊急の対策をとらなければ、現状維持どころか爆発的な増加が進む可能性も心配されている。現在予想される生息数64万頭の信ぴょう性にも疑問が投げかけられたが、私も同感。また、この1年間で10億円の被害が増加していることを考えても、少なくともこの2年以内に増加を食い止める措置が必要だと思われる。ところが、道の考える22年度の捕獲数は緊急対策による1万7千頭を加えても10万9千頭であり、必要とされる13万9千頭には遠く及ばない。

具体的には、ハンターへの奨励金や狩猟税減免などの財政措置、禁猟区などの立ち入り禁止区域の見直し、夜間発砲や消音措置の許可、銃弾の購入規制緩和などの銃刀法の特例措置、処理に関わる規制緩和や施設整備等への財政措置など、緊急的な対策を検討する必要があるものと思われる。


興味深かったのは、釧路短大栄養学講師岡本先生による、エゾシカ問題の川下対策ともいわれる消費拡大の可能性についてだった。
野生シカの肉は季節により美味しさにばらつきがあることと、ハンティングにはほう血がうまくできない事もあり、狩猟による肉はあまり評判が良くないのが実体。さらにシカ肉は"買うもの"ではなく"タダでもらうもの"のように思われていることも消費が伸びない要因とされている。
しかし、見方を変えると違った一面も見えてくる。例えばサンマはとれる季節により脂ののり具合が違い、刺身や塩焼きなど季節に応じた食べ方があり、季節と味の違いは当たり前のことと考えられている。また、魚では養殖をあれだけ嫌う傾向があるにもかかわらず、なぜ肉は養殖ともいえる家畜肉のほうが人気があるのだろうと。ヨーロッパでは狩猟による自然の肉は、最も高級なものとの位置づけられているのだそうだ。そう言われると…その通りかもしれないと思えてきた。

現在、有害駆除の場面で自衛隊の協力が得られないかと考えられているが、その中には自衛隊内で提供される食材として利用してもらうことも含まれている。さらに、道内の学校給食での利用はどうだろう。今後の検討課題としてみたい。
また、エゾシカ肉は牛や豚に比べて脂質が少なく、しかも慢性的に鉄分が不足しているといわれる現在の食生活にもってこいだという。
日本人は一日に平均約60gの肉を食べているそだが、それを一部シカ肉に置き換えるだけで、必要な栄養価を摂りながらも脂質を抑えられるという利点があるという。カロリーコントロールを必要とされる人々には好都合な食材となりえる。

しかし、処理費用がネックになったり、全ての部位を有効に活用できにくいなど、課題は山積している。今後は、駆除や狩猟のによる個体数減らしとともに有効活用について、様々な分野の知恵を借りた全道規模の取り組みが必要と思われる。