寺田健悟
べてるの家,興味深い事例ですね.
またまず,詳細にストーリーを組み立てているところは共感します.
それは最後の説得力につながるはずですし,考える意義があるように思います.
ただ思うのは,コース設定にもっと自由度と現実味とバリエーションがある方が良いです.
(精神医療についての知識がないので的外れかもしれませんが)
もっと身近な感覚が必要に思います.
例えば,
「どこどこの斜面には,春になると菜の花が咲いて奇麗だから,春には良く行くんだよね.」
とか,
「早朝は,ジョギングする人が増えるから,本を読んでいるだけで落ち着くんだ.」
とか.
そういう何気ない風景の中に,人は連続的に存在していて,頭と体で周りの環境を受け取る.
人は,目の前の風景だけを見ている訳ではなく,目の前の風景をきっかけとして,いろいろなことを空想しながら生きています.それは頭脳や心の居場所・体験のようなものです.
身体だけでなく,心の居場所としても心地よい空間ってなんでしょう.
今回の提案は,ざっくり下記を.
1.複数の点(建築など)が,広瀬川沿いのエリアの中に分散されている.
2.それぞれの点の間を行き来するうちに,町と溶け合う.
このうち,1はある程度できてきました.
ただ,建築の提案としては遊びがないという印象です.
建築に魅力が無いという訳ではないのですが,
もっと周辺を説明・デザインすることで,建築の魅力が浮かび上がるように見せてほしいです.
キューブがすべて同じプロポーションなのも疑問です.
もっと敷地に即しても良いのでは?
そして,2はまだ見えてこないです.
これだけストーリーを考えたので,各点をもっと連動して関係づけて下さい.
発表やエスキースには,敷地全体をすぐに把握できる模型や図が必要でしょう.
考えが表現された,新しい地図のようなものとか.
点と点をつなぐ(あるいは切る)空間が大事なので,そこをもっと考えた方が良いです.
佐々木基
(前回,名前を間違えてしまってすみません.)
プログラムの選定についてですね.
動けない人ほど,病人や高齢者の人ほど,少しのことに敏感になり,自分自身の内側との結びつきを強固にし,他の人の目には見えない旅に出ていることがよくあるように思うのです.
外の変化を増幅するのも良いのですが,むしろ普段当たり前に外界に存在していて気付かなかった現象に,気付くこと,それと関わること,を重視して欲しいと思います.それは開口部や,屋根の勾配や,地面の仕上げや,といった外と中の境界線の操作の,重層的な積み重ねかもしれません.
