嫌われる勇気 」を拝読しました。


タイトルの印象から「人に媚びないで生きよう」みたいな内容なのかと思い、あまりピンときませんでしたが、レビューを見るとなんだか違うみたい?!


読んでみたら想像を超える深い内容で、ガツンと頭を叩かれたような衝撃えっ



フロイト、ユングと共に心理学の三大巨頭と言われるアルフレッド・アドラーの教えが、対話形式で展開されています。


どうすれば人は幸せに生きることができるのか、というシンプルな問いに対して、深く、リアルに迫る。


「すべての悩みは対人関係の悩みである」


最初は反感を覚えたけれど、読み進めるうちに少しずつ本当の意味を理解していきます。


多くの人はつい無意識に、まわりの人やメディア情報、家族や友達の価値観によって、自分の幸せレベルはこのくらいかな、と判断しがち。


でももし、宇宙に自分ひとりしかいなければ、そもそも劣等感という感情も孤独感もなくて、何が正しいのかも、期待に応えなければならないという感情も、なにも存在しない。


でも実際、私たちは社会の中で、直接的・間接的にたくさんの人と関わりながら生きている。


だからこそ、まずは自分だけの価値観と判断基準を持ち(=自立)、社会と調和しながら横のつながりの中で生きていくことが大切なのだと、解いています。


そして、「自分は誰かの役に立っている」と感じることこそが生きる支えとなる。


人と関わりながら生きるという時点で、誰かを傷つけたり、傷つけられたりすることは避けられないこと。


だから自分が傷つかないことを恐れて、人の価値観を満たすために行動することは間違いであり、それは他人の人生を生きることになる。


そのあたりの意味合いから、タイトルの「嫌われる勇気」がついています。



読みながらふと気が付いた。。。


私、10年前の方が、嫌われてもいいから自分の主張を通したい、自分で信じた道を進みたい、そんな気持ちが強かったかも。


その後、いろんな人と出会って、年齢も重ねキャリアも重ねる中で、いつしか「嫌われたくない、うまく立ち回りたい」という思いが強くなってる気がする。


でもうまくやりたいと思うと同時に、「自分なりの生き方を追求したい」という思いは以前より強くなっていて、ちょうど今、そういうバランスのとり方を模索している時期な気がする。


言葉を変えると、人を傷つけまいとし保身に入りつつある自分と、周りの評価なんて関係なく自分の信念を躊躇せず正しい!と主張する自分とのせめぎあい。


このタイミングでこの書に出会えて良かったなぁグッド!


10年後くらいに再読した時に、また違った感情を覚えるのか、楽しみです。