映画『雷撃隊出動』の視聴メモ | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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・南洋の、とある海軍基地で、「やまと軒」という食堂を経営している、59歳の女性が出てくる。
 皆、彼女のことを「ばあさん」と呼ぶ。

↑現代において、59歳の女性を「ばあさん」と呼んだら、いろいろと問題になる。
 経済発展と、医療技術の進歩によって、当時よりも平均寿命が延びたことが、これに関係しているのだろう。
 昔の映画を見ていると、ふいに当時の価値観が出てきて、「おやっ?」と思うのがいい。
 ためになる。

・慰問映画が上映される。
 映画がはじまると、皆が拍手する。

↑いい時代だ。
 演劇の延長線上に映画があったから、昔は拍手をしたのだろう。
 そういえば、登場人物に危険が迫ると、
「危ない、後ろだ!」
 などと、声をかけるようなこともなくなってしまった。
 今ではもう、子供向けの映画にしか、そういう文化が残っていない。
 子供向けのアニメを見に行くと、子供が声を上げたり、劇中歌を歌ったりするのが好きだ。
 どうしたことか、そういう純朴な声を耳にすると、じわっと涙が込み上げてくる。

・アメリカ人の俘虜の発言に、海軍軍人が声を荒らげて怒る。

海軍軍人
「あいつら、飛行機も多い、軍艦も多い、兵器も多い、兵も多い。大なるものが小なるものに劣るという数字は成り立たんはずだ。そしてまた、質も優れている。新兵器もいろいろある。将兵の士気だって、あいつらの建国当時や南北戦争のときよりも、もっと何倍か燃え上がっている。そんなアメリカが絶対に負けるどおりはない、もしも負けたら、世界の真理が逆立ちするって、こう言うんだ」

 ――薪(たきぎ)を担いだ、飛行機の操縦者が目の前を通る。

海軍軍人
「それなのにこっちじゃ、パリパリの優秀な操縦者が、乗る飛行機がなくて、薪(たきぎ)を採っている。こんなばかなことがあるか」

↑「パリパリ」という、昔の言葉が出てくる。