贈り物を渡した後、相手が、「それでは、遠慮なしに頂戴いたします。」などといって、品物をしかるべきところに置いて、
「さあ、どうぞ、こちらへ。・・・」とすすめたら、はじめて、上座にすすんで、座ぶとんを敷きますが、先方が非常に目上で、上座につくのが面映ゆいようなときは、
「勝手でございますが、こちらで失礼させていただきます。」というふうにいって最上座を避けてもかまいません。
座ぶとんを敷くときは、両手で座ぶとんの端を押さえ、片膝ずつ進めて、まん中に正しく座ります。
両手で座ぶとんを膝の下に引っぱりこむのは無作法ですし、片側に寄って座るのは見苦しいものです。
正しい座り方は、両足の親足を軽く重ね(左右どちらが上でもよい)、両くるぶしの上に尻をのせるようにして、膝を折ります。
手は、指をそろえて、八の字形に膝の上に置くか、両手の指さきを軽く組み合わせて、膝の上に置きます。
目は、人と対座するときは、相手の胸のあたりを見るようにし、相手と話をするときだけ、目をあげて、相手の目、または口もとを見るようにします。
なお、目上の人と同伴する場合は、目上の人が敷くのを待って、目下の人が敷くのが常識です。
座ぶとんを下りるとき 両手と膝とで、座ぶとんの後方、または左方へ下り、座ぶとんを正しく直しておいてから、立ち上がります。