結婚式以前に何度か行ったがその時に母親がこの国は結婚する時は住まいを用意するんだと言った。えー貴女の息子はそれが出来るのと言いたかったが止めた。いずれにしてもここに住むには住まいは必要だ。そこで近くを探したら中国人の設計士が住んでた家が売りに出ていた。私も設計士なので一目で気に入った。一階にビルトインガレージ、飾り棚付き20畳の居間、16畳のダイニングキッチン、シャワー付きトイレ、階段は木製で幅の広い踊り場付きの折返し階段、二階の床は木製タイルで主寝室はキャビネット付きの16畳、他のニ寝室もキャビネット付きの8畳、洗面台、浴槽付きのトイレ、廊下の幅も広く突き当りに広いバルコニーがある総面積、40坪位の大きな家だった。ここは以前、ピナツボ噴火の後の水害で罹災した人達に、政府が支給したので同じ土地面積に平屋建ての同じ家が建っている。この家の他、数件が2階建てに建て直しているだけなので二階に上がると見晴らしが良かった。土地建物も政府の所有なので売買は出来ないのだが権利を売買すると言う。母親の言うには300万円だが交渉して260万円になったと、いずれにしても日本と比べたらとても安いので買う事にした。クリスマスに持ち主が中国から帰って来ると言うのでそれ以前に金を持っていき彼女の名前で契約させた。運び屋の友達が絶対、家は買うな、後で取られてしまうからとしつこく言われていたのだが自分は大丈夫と思い買ってしまった。後でその通りになるのも知らずに!
続く。