それにしても・・・
自分の誕生日を
当日になって忘れていたのは
初めてでした
いや、違うな・・
朝は覚えていたんです。
ついに大台だな〜なんて。
だけど誕生日のお祝いを
週末にしてもらえるということで
家族には予定を
決めてもらっていたし、
肝心の当日は
スッと忘れてしまったんですね
でも昔は、
お誕生日の当日は
一日中そのことが頭にあって、
どっから、どのタイミングで
「fujikoちゃんお誕生日おめでとう!」
と親やお友達からくるか
ワクワクと身構えていたものでした。
いつプレゼントをもらえるのか、
とかもね
それこそ
一日中プリンセスになったような気分で
全身からお誕生日オーラを
出しまくっていたと思います。
「fujikoちゃん、
今度、お誕生日には
鉛筆をあげるね、
消しゴムもあげるね、
ノートもあげるね。
こうちゃんより」
学校の机の引き出しに入っていた、
大好きな男の子・こうちゃんからの
お手紙。
そりゃあもう嬉しかったなぁ。
自分の誕生日を
ワクワクどきどきしながら
待っていました。
そんなある日のこと。
小学校の頃は
毎月お誕生日会が給食時に
クラスで行われていて
その月のお誕生日の人は前に出て
皆の方に向かって
座らされるのですが、
11月生まれは
私を含め3人いたんですね。
そしてその主役の3人に対し
皆がそれぞれに折り紙や新聞紙で
作ったものを
お誕生日プレゼントとして渡してくれる
というイベントがあったのですが、
こうちゃんが皆に配ったのは
新聞紙で作ったカブト帽。
配る前のこうちゃんの手には
綺麗に丁寧に
虹色に塗られたカブトが見えて、
わぁっ、綺麗♡
それをくれるんだなーなんて
思って構えていたんですよね、私。
でも、、、虹色のそれは、
私以外の2人へのプレゼントでした。
私へのカブトに塗られていたのは
黒色
しかもね、
ぐちゃぐちゃに塗られた黒
どうして?こうちゃん?
こうちゃんは私のことが
好きなんじゃなかったの?
お誕生日会の日は
実はまだ私の誕生日は来ていなかったので
お手紙に書いてあった
鉛筆も消しゴムもノートも
もらってはいなかったのですが、
まさかこんな真っ黒ぐちゃぐちゃな
カブトが
学校のお誕生日会で
しかもみんなの前で
私に渡されるなんて思いもよらず
それに
「さぁ、このぐちゃぐちゃの黒は
誰に渡すでしょうか」
なんて解説つきで
私に渡してくれたものだから、
あははー!なんて笑い声が
クラス中でドッと起こりましてね
私は恥ずかしいやらなんやら…。
その日はそれはもう
ショックでショックで
家に帰りました。
私、嫌われたのかも・・。
もう、ノートも消しゴムも
もらえないのではないかという
気持ちになり、
そして迎えたお誕生日当日。
なんと こうちゃんは
朝私の家に来て
お手紙に書いてあったとおり
鉛筆、消しゴム、ノートのセットを
プレゼントしてくれたんです。
うわぁ、嬉しい
めでたしめでたし
って、
なると思います
多分、
笑顔でもらったとは思います。
だけど
小学一年生女子も
すでに一丁前の女なんですよー
プライドが勝つ時は勝つんです!!
黒のぐちゃぐちゃカブトの一件は
思いの外私の心をズタズタにし
辱め、
百年の恋をも覚めさせたんですよね。
彼とはそれでおしまい。
短かったわー
そんな、
誕生日の思い出話でした…