カンムリプロデュース「ノコッタ。」只今、パールホテル両国にて上演中である。連日お客様から暖かい御言葉を頂いている。多謝。
今週日曜までやってるので、気になった人は観にくると良い。(完売回もあるらしいので要確認)

昨夜の事。

故郷勝田台から、友人夫婦が観劇に来てくれた。
せっかく遥々出て来てくれたので、終演後食事に誘った。

車に乗り込む。

「どこか良い店知らない?」

ここは両国。周辺に旨そうなお店なんて、むしろありすぎるくらいだ。しかし、私は

「うーん、ちょっと走って探してみよう。取り敢えず足立区方面に。」

彼ら夫婦に、ここら辺の土地勘が無い事を利用して、上手い事我が家まで送らせる作戦を実施する。
車は足立区に向け走り出した。
途中、賢い嫁さんが「これ、遠回りしてない?」と気付く可能性があったので、意識してナビから気をそらす様に話し掛けた。

順調に誘導して、葛飾区まで差し掛かった。

「あれ。全然店無いね。」

当然である。
君達がいるここら一帯は、東京ではあるものの、都会では無い。この時間まで営業してるのはファミレスぐらいだ。

「なんか、八千代と同じ様な雰囲気だね。」

フハハハ、今頃気付いたか。そうさ。ここから2〜30分も歩けば、千葉県にでも、埼玉県にでも行ける。ここは、『県境』なのだよ。

ここまでは策略通り。しかし、私にも情けが無い訳では無い。
この気の良い夫婦は、わざわざ貴重な休みを使って、東京まで出て来てくれたのだ。これで夕食が「サイゼリヤ」だったら流石にちょっと不憫だ。

「その先にロイヤルホストあるよ」

私と友人夫婦は、ちょっと良いファミレスで夕食を済ませた。食事中に、眠そうな目を擦りながら、旦那が言った。


「いや、最初っから家まで送るつもりだったよ。」


私は返す言葉を探した。


「そういえば、ロイヤルホストってさ、ロイホって略すよね。・・・なんかさ、ロイ・ホって区切ると人の名前みたいだよね。・・・ロイ・ホー。
うん、なんか香港出身の映画人みたいだ。ジョン・ウー、ロイ・ホー。」

気の良い友人夫婦は、ただ黙って微笑み、会計を済ませに行った。

来てくれて本当ありがとうね。