石田衣良初の長編小説
2000年くらいの初期の作品で

いやー驚きました。完全に。

他の作品に比べたら分厚くて、分厚い小説が苦手なわたしにとって気が重かったんですけど、あっという間に読んじゃいました。ここで発揮される速読。笑

速読というか深く読まなくていいやってとこは字を見るだけで読んだ気になって、ササっと。

わたし本にハマってまだ日は浅いですが、中でもIWGPを中心に石田衣良読んでまして、いつも「すごい知識量だな」と思います。

だって、マコトはクラシック超好きで、マコトの気分に応じたクラシックの曲を描いてあったり

IWGP外伝ではギャンブル

娼年では服や性的描写

今回のうつくしい子どもでは
植物

全て薄っぺらい情報ではなくて

専門家レベルの知識が描かれていて

この専門家レベルの知識が石田衣良作品の主人公たちをよりリアルに、わたしたちをより取り込む秘訣なのかな、とおもいました

まじ脱帽


よく設定思いつくな~とただただ思うばかりです


そして、中でもこの作品は
主人公がこの中心の事件の犯人のお兄さんという設定。あ、ネタバレじゃないよ、帯にも描いてあるくらいだから

そして進学校で

少年犯罪、マスコミ、加害者かぞく
普段、少年犯罪が起こればもちろん被害者目線で私たちは物事を捉える
マスコミの過熱報道は度々問題にはなるけど、加害者=悪という価値観、加害者家族への容赦のないプライバシーの侵害
1つの事件にはたくさんの人が関わり、たくさんの見解、たくさんの傷、たくさんの痛み、たくさんの悲しみ、たくさんの怒り、言い表せないほど多くの感情と状況が入り混じり、理解すること、許すことが改めて難しいことを実感した。
そして、全てを理解することは可能でも許すことは難しいこと。そもそも全てを理解すること自体、無理だと思った。

過熱報道するマスコミが悪いからと言って、あらゆる事件を報じなくなったら済む話ではない。

お金と正義と社会的貢献、そして危機管理能力があいまって、こうなってしまっている現状。


普通が何か
個性とは何か

も考えさせられたし、やはりこの世界は人間の感情が渦巻く、難しい世界なんだということを思い知りました。


最後まで弟の異常の肥料はわかっても、種はわからなかった。


世界の全てをわかるなんて無理だー

そして完全な人間なんていない


おもしろかった
優勝!!!!!!

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