Take it easy!日々是好日♡

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一度きりの人生。
悔いなく生きたいものだけど、肩に力が入りすぎるとロクなことがない(笑)
ココロの豊かさを失わないように、映画や読書を楽しみ、日々の徒然を書いております♪

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原 題:La Rafle
製作年:2010年
製作国:フランス

<Staff>
監督:ローズ・ボッシュ
脚本:ローズ・ボッシュ
製作:イラン・ゴールドマン 
製作総指揮:マルク・ヴァドウ
撮影:ダヴィッド・ウンガロ
編集:ヤン・マルコール
美術:オリヴィエ・ロー
音楽:クリスチャン・ヘンソン
衣装:ピエール=ジャン・ラロック

<Cast>
メラニー・ロラン (看護師アネット)
ジャン・レノ (医師ダヴィッド)
ガド・エルマレ (シュメル)
ラファエル・アゴゲ (スーラ)
ユーゴ・ルヴェルデ (ジョー)
オリヴィエ・ジヴィ(シモン)
マチュ・ディ・コンチェート(ノエ)

<感想>
小学生のとき、『アンネの日記』を読んで涙が止まらなかった。
1人の少女が、ユダヤ人であるというだけで迫害を受け、アウシュビッツ収容所の過酷な状況の中で健気に生きる姿が切なかったからだ。
この映画を観ていて、そのことが鮮やかに甦ってきた。

本作は、1942年フランスで起きた「ヴェル・ディヴ事件」を扱ったもの。
当時のヴィシー政権下で24,000人のユダヤ人捕獲作戦が企てられ、13,000人が実際に捕まったとされる。捕えられた13,000人のユダヤ人の行く先は、アウシュビッツ収容所のような「絶滅収容所」で、最終的な生存者は25人しかいなかったらしい。
その生存者からの実話に忠実に製作された作品だけあって、余計な脚色や強調を感じることなく、見入ってしまった。

この映画は、1万人以上のユダヤ人を匿ったフランス人の偉業を声高に訴えるものではない。
また、絶滅収容所の非道さを映像的に訴えるものでもない。
ただ、ヨーロッパの中でも人道的と言われていたフランスの市井で慎ましく暮らしていたユダヤ人が、ユダヤ人であるというだけで捕えられ、絶滅収容所に送られるまでの日々がどんなものであったかを描いた作品。

派手なアクションはない。
記録映画的な無機質さもない。
大人なら、この先起きるかもしれない出来事に不安や恐怖を感じる状況で、無邪気な子供たちの姿が描かれるだけ。
それが、かえって胸を締め付けるような悲しさとなって伝わってくる…。

ヒトラーが、民族主義の名のもとに仮想敵として位置づけたユダヤ人。
宗教的な対立は今も無くならないけれど、いつも多大な犠牲を強いられるのは “この辛い時もいつかは終わる” と信じる無力な人たち。

戦争に意味を見出す政治家、宗教家、武器商人といった人たちに問いたい。
戦争から得られる利益と、戦争で失うものは天秤にかけても尚重いと言い切れるのか、と。
本当に平和的に解決する方法はないのか、と。

争うことが悪いとは言わない。
向上心を生む競争もあるだろう。
だけど、暴力によって非力な者を抑圧し、自己主張を正当化しようとする姿勢は疑問。
この事件で生き残った25人の方たちが、怒りや悲しみだけを背負ってその後の人生を歩んでいないことを願いたい。