歌のスタイルは人それぞれだし
正解なんてないけど、私の場合は
歌に、気持ちを込め「すぎ」ないようにしている気がします。
もちろん歌や楽曲を、自分なりに理解、解釈して
共感したり、経験にリンクしたりするけど
歌うときはそれを乗せすぎない。
乗せすぎると重くなるというか
自分だけの世界になって
人に届きにくいような気がするのです。
受け取ってくれた人が、
懐かしいにおいを思い出したり
自分の中の元気や勇気を見つけたり
なんかボッと火がついたり
ごちゃごちゃしていたものがなんだかシーンとなったり
そんな風に自由に響いてほしい。
まぁ、思わず入り込んじゃったり
歌いながら泣きそーになることもあるけど
それはそれでよしとして(笑)
歌手のジュディ・オングさんが、
40年ほど前の大ヒット曲、
「魅せられて」を歌うことになったとき
「女は海
好きな男の腕の中でも
ちがう男の夢を見る」
(作詞・阿木燿子 作曲、編曲・筒美京平)
という歌詞の心境がどうしてもわからない、
どういうふうに歌ったらいいのかわからない
と、作詞の阿木燿子さんに相談したら
「歌が運んでくれるから大丈夫よ!」
と言ってくれたそう。
そのエピソードは最近聞いた話ですが、
私が小さい子どものころ、この曲を歌うジュディ・オングさんを見て
まるで、この人のために作られたような歌だなぁーー
と思った記憶があります。
美しすぎました。
歌が運んでくれていたのですね。
それと、私が20代のころ、
とあるレコーディングに参加していたとき
歌に共感しすぎて、録音中に泣いてしまったことがあって
そのとき、ディレクターさんが
「楽曲に共感できるのはステキな才能です。
でも、歌うときはそこから一段階上がってみて」
とおっしゃっていたのが
いまならなんとなくわかる気がします。
一段階上、というか
その奥の静寂、みたいなものを
いつも感じていたいし、伝えたいのだと思います。
(↑思いますっていうか、あまり深く考えてないんだろうけど。。)
























