藤田和也の伝統芸能ブログ

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難しいと思われがちな日本の楽器や文化を分かり易く解説したり、日々の活動を書きたいと思います。

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こんにちは!

本日は解説ブログです!
近年は創作歌舞伎も多くなり、歌舞伎を初めて観た!という方も多いのではないでしょうか?

最近、歌舞伎版風の谷のナウシカが始まりましたね!
歌舞伎版風の谷のナウシカでも新しい幕が使用されている様で、Twitterで散見されています。

そんな今日は幕のお話です!

【定式幕】

歌舞伎といえば、定式幕!(じょうしきまく)

上手から下手へ引いて閉めるので、引幕(ひきまく)とも言います。また狂言幕(きょうげんまく)もと言います!


この幕のことですね!
黒・柿色・萌葱(もえぎ)の三色です。

この幕のは横に開きます!

この定式幕は座によって配色が変わります!

一番わかりやすいのは、中村勘九郎さん、七之助さん達の中村屋さんの定式幕です。
中村屋さんは、黒・白・柿色となっています。

江戸時代は幕府から許された劇場しかこの引幕を使う事が出来ませんでした。江戸三座と呼ばれる中村座、森田座、市村座のみでした。

この幕の結構薄いので、前の方に座ると準備中の音やスタッフさんの声が丸聞こえです笑

【緞帳】
歌舞伎ではもう一つ緞帳(どんちょう)も使用します!


こちらですね!定式幕とはまた違う感じですね。

歌舞伎以外では基本的には幕と言えばこちらの事を言う事が多いです。

緞帳は上下に動きます!

劇場によっては数枚兼ね備えており、演目によって柄を変えている劇場もあります。

歌舞伎で緞帳を使用するのは、新歌舞伎とよばれる明治〜昭和頃の作品、松羽目物と呼ばれるの能をイメージした作品に限られています。

古典作品の基本は定式幕を使用するという事ですね。

さて、歌舞伎版風の谷のナウシカに戻りますが、新しい幕を特注品で作ったという事なのですが、新しい幕は緞帳では無く引幕の事を指しますね!

この引幕は歌舞伎らしさの象徴ともいえますね!

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・国指定重要無形文化財 江戸里神楽 若山社中

・歌舞伎囃子笛方

 

藤田和也

ホームページ http://kazuyaman0126.wixsite.com/fujitakazuya