冬の澄んだ晴れ空の中
あの時の思い出の海辺へ
再び足を運んでみた。

誰一人の姿がなく、
微かに波の音が聞こえるのみ。
遠くを見つめながら
ゆっくり我に還り始める。

もしも今よりももっと
自分が強ければ…
私はあの人を好転の方向に
導けたのかもしれない。

波音に包まれている
ぽつんと小さいこの存在が
情けないようで哀れも感じる。

どうか、新しい季節には
好きな自分に成り変わりたい。

あの人のことを忘れられなく、
もっと広く見つめ直すから。

小さなガラス瓶に
願い事を書き留めたメモを入れ、
波打ち際に浮かべ始めた。