哀れで情けなかった。
想いが通じなかっただけでも
自分の価値観に嫌気をさした。

この世界は、強い立場ばかりが
何もかも正しいと主張し、
次々に弱い立場を潰している。

どんなに愛された感覚を持っても、
気持ちの食い違いだけで
大きく運気が下回ってしまったのが
幾度も繰り返していた。

何の為にもなれなく、
抜け殻にしかなれない私。
憐れみは要らない。
ただ、償いと清算をするだけだから。

ススキが寂しそうに
風に揺られている。
心の痛みを、しなやかに…
そして、優しく拭ってくれる。

踏まれても構わない。
これで、皆の傷を癒えるのなら
それでいいと思っている。

この季節、ススキたちは
諸々を祈りながら
空の月へ泣いているだろう。