前回は掛け持ちバイトの職場が
パキスタン人の社長の経営するプレパブ事務所に
決定した話。。。
↓

『【わたしの世界観54】ポツンとプレハブ外国人』前回は整体師の第2の職場で見たプロの仕事の話でした。↓【わたしの世界観53】週に2~3回の整体のバイト。バイトのない日は、なんだか心許ない気持ちだった。保育所…

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正規の社員さんの事務補助というポジションで
大きな責任もないので、

かなり気楽に、
整体とのバイトを掛け持ちでやっていたこの頃。

整体の仕事の方が「動」なら

こっちの事務の仕事は
パソコンに向かい入力作業をしたり
記帳していくだけなので「静」になる。

仕事に行くっていうよりは、

外人さんだらけの敷地内だから、
なんか今日も面白いことあるかなーって感じだった。

その日も・・・・

朝からフラフラと
（いつもブラブラフラフラしている自分）

砂利で泥んこの駐車場？！ただの原っぱ？に
車を止める。

ふと、

奴ら（外国から働きに来ていて同じ敷地内の別なプレハブに5人位住んでいる）
の住処の方向へ目をやる。

すると、
昨日はなかったはずの、

白？！・・ではないな、、

ちょっと黄ばんだ感じの毛布らしきものが見えた。

なんだよ、落としてるよ。

いや、落としてるんじゃなくて置いてんのかもしれないな。。

仕事で使うぼろきれにでもすんのかな。。。
（自動車の解体では結構、毛布とかなんか布切れとか使って
油を吸い取ってキレイにしたりなんてことをいつもしていた）

そんな風に思いながら「仮」って言葉がぴったりな
プレハブ事務所へ入る私。

その日のやる事を確認しながら窓から外に目をやると、

さっきの毛布が風にふかれて
白い毛がふわふわと飛んでいる。。。。

毛布の毛ってさ、あんな風になるか？

ん？

形おかしくないか？

それにしても、、犬とか猫とかの毛みたいだよなー。。。

その時、一瞬強い風がビューンって吹いた。

あ！！風で毛布がグルンってなった・・・

ん？茶色い？

リバーシブル？

中が茶色の毛布？

え？
待って待って、

毛皮？じゃね？

そう頭の中で高速処理していたところへ
パキスタン人の社長の登場。

国には子供がいっぱいいるらしい。

「サムイネー」

社長は寒がりだ。

「社長！寒いから暖房つけてましたよ」
と、私。

「ダンボウ？ってナニ？」

丸い目玉をさらに丸くして、
新しい日本語に興味津々の顔になる。

そうだった・・・・

日本語をめちゃくちゃ流暢に話すから時々忘れちゃうけど、
社長はちゃんと外国人で熟語には弱いんだった。

またもや頭の中で高速処理。

奥義高速変換の術を繰り出す。

暖房=エアコン？

言い直して意思疎通完了。

ふーぅと胸をなでおろす。

そして、

この会話中も脳内高速処理の終わらないあの窓の外を指差す・・・・

「社長、なんか落ちてますけど」

「あー、きのうやぎたべたねー」

しれっと・・・・・

伝票でも読み上げるかのようにしゃちょーは言った。

やぎたべた

やぎたべた

やぎたべた

で？
窓の外にあるやつは？

彼らはイスラム教の国。

毎日お祈りをし、白い服を着て週に1回どこかへ消える。

マックではフィッシュバーガー。

「マヨネーズナシネー」とオーダーする

チャーハン食う時は
「コレ、ラードハイッテル？？」

チョコレートあげても
「ラードハイッテル？」

お肉の種類とお祈りに全精力を注ぐ。

そんな彼らが日本の片田舎でお肉という
タンパク質を摂取するには、

神聖なお祈りをして自分の手でさばく。
（さばくって表現が適切かは私は知らない）

その方法が一番なのだろう。

日本人の私は、フサフサとなびく
あの落とし物にドキドキしたけど、
彼らには日常なのかもしれない。

同じ日本人でも住んでるところや
育った環境でこういうことがあるかもしれない。
（やぎたべた・・はあまりないと思うけど）

完全にわかりあえるってことは、ないかもしれないけど、

お互いに知ろうとする、
話す、
意志疎通をはかる、

みたいなことはできる。

地球にいるたくさんの人間と
色んな意思疎通できたら、面白いな。。。

そんなふうに思ってた外国人の経営する会社でのバイトの頃。

次へ続く

【わたしの世界観55】外に落ちていたフワフワの正体