38 2024年の冬。 私はインフルエンザになった。 薬をもらいに行った薬局で「りせちゃん」 が働いていた。 私は彼女の名札を直ぐに確認した。 どうか「黒崎」であります様にと、 彼女の名前は高校から変わっていなかった。 きっと彼がりせちゃんの名字になって幸せに 過ごしているはず。 熱がある頭の中で自分に何度も何度もそう 言い聞かせていた。