人生にゆとりを生み出す知の整理術

学生の頃は勉強することがとても苦手でした。

テスト前勉強になると、「やらなければいけない」という想いとは裏腹にまったく集中できずに時間だけが過ぎていくということはざらにありました。

社会人になって思うのは、「学ぶこと」は人生にとっても重要なことであると実感しています。

知識を自分から手に入れていかなければ、どんなに便利なツールがあっても、どんなに役立つスキルがあっても、自分の身になることがなく、普段の生活が効率の良いものにならず、さらには充実したものにはならないと思います。

この本の筆者も、私と同じような境遇だったのだと思います。

僕は小さい頃から、ほとんど何かをがんばったことがない。

自分が人より根性や体力がないのには自信がある。みんなで一緒に何かをすると、いつも一番先に「疲れた」とか「だるい」と言ってサボり出すタイプだ。

決して勤勉じゃないし、決まった時間に起きられないし、部屋も散らかっているし、ちょっと活動するとすぐに横になって休んでしまう。

だけど、そんな僕が今までの人生で、京大現役合格をしたり、会社を辞めて無職になってからもブログが人気ブログになって、5年間で5冊の書籍の出版に至ったり、シェアハウス「ギークハウス」の運営を10年間続けているなど、大体のことはなんとなくやっているうちにうまくいった。

うまくいった理由はたぶん、「人より我慢強さがないからこそ、しんどいことを避けてうまくやるやり方をしっていた」から。そして、たまたま人生の早い段階で、「勉強を楽しむやり方を身につけることができた」からだ。

冒頭でこのように記しています。

そもそも「勉強」という行為は、自分のなかに知識を整理して入れ込んでいくことです。

本の中で人生では不幸なことが知識を持っていることで防げることもある、といっています。

ですが知らないままに人生を過ごしている人も数多くいます。

（おそらく私もその一人でしょう）

だからこそ、

・普段から知識や情報に触れる習慣を持っているかどうか

・困ったときに自分でちょっと調べてみるという行動パターンを持っているかどうか

・わからないときは、どこでどういうふうに質問すれば答えが見つかるかを知っているかどうか

など、重要なのは「勉強への抵抗のなさ」を身につけておくことだといいます。

たしかにおっしゃるとおりです。

なお筆者には、なにかを勉強するときに大事にしている考えが3つの軸であるといいます。

その1 習慣化してしまおう

勉強でも仕事でも、根性を出してやろうとしても限界は必ず来ます。

なにを隠そう自分がそのタイプで、最初はやる気を出して続けるのですが、徐々にできなくなり、途中で挫折することが多いです。

終わったあとにけっこう後悔していることがあります。

つまりこれはなにか無理に力を入れてても長期的にみるとたぶん達成できません。

逆に、できる人ほど、力を入れずにいろいろなことが回っていく習慣や環境を形づくっている傾向があるようです。

最終的には、がんばる人よりも、継続してやれている人が残るようになっているのだといいます。

これが人の原理原則なのだと感じます。
とはいえ人間にとって、普段なんとなくやっている習慣を変えるのは難しいものでもあります。

自制心があって努力家の人間なんてごく一部です。

私もよくさぼります。

さぼりますし、手も抜きます。

全くもって良くないです。

なにかをやろうとしてもめんどくさくて続かなくなるという経験ってこれを見てる方でも多いのではないでしょうか。

でも、普段の習慣は変えられます。

そして、いったん生活習慣やリズムを変えてしまえば、普段から努力しなくても不思議と行えるようになるものです。

ここで重要なのは、自分を取り巻く環境で人の行動や習慣は大きく変えられるということです。

そして変えるうえでも重要なのが「まわりにいる人」だといいます。

例えば、あなたが筋トレをしたいと思っているとして、まわりにジムに行って筋トレをしている人が多くいたらどうでしょう？

事実、私もそういった環境に身を置けているな、と感じれるからこそこうして今はブログを書けています。

その2 楽しくやる考えを持つ

「なんとなく楽しんでいるやつがいちばん強い」とはいえ、実際のところ、「勉強を楽しむのは難しい」と思い込んでいる人も少なくないはずです。

しかし家でゲームを楽しんでいる感覚だと思うと、おおかたなんでも楽しめてしまうと筆者はいいます。

いいかえれば、気の持ちようでどんな仕事でもゲームのようにこなせるし、どんなゲームでもめんどくさくて嫌な作業になりえます。

そしてゲームとして楽しむときに必要なものは、「余裕」と「達成感」だといいます。

なにかを楽しめないときは、この2つを持てていないことが多いというのです。

まず、楽しむためには「余裕」が大切になります。

気持ちがいっぱいいっぱいな状態だと、楽しめなくなって当然です。

そして、なにかを楽しむためには、一歩引いた視点から状況を冷静に見るようなことが必要なのだといいます。

たとえば人生で苦境に陥っているときも、「なかなか難しい戦局だな、この状況でできるだけ被害が少ない最前手を指すにはどうしたらいいか」とゲーム感覚で考えるべきだといいます。

そして、ゲームとして楽しむために欠かせないのが「達成感」です。

ゲームを毎日続けられるのは、楽しむための細かい仕組みが用意されているから。しかし勉強の場合、そのような仕組みは用意されていません。

そこで、「ある程度進んだら自分にご褒美をあげる」「やるべきことが終わったら、それをかいたメモをグシャグシャに破り捨てる」など、自分で達成感や爽快感を感じる仕組みをつくってやる必要があるという発想です。

その3 ひたすら楽しむ

勉強が苦手な私にとってこれが難関なのですが、基本的に勉強は自分が楽しいと思うことだけやればいい、と筆者はいいます。

（これは勉強に限らず、仕事にも通じるのではないかと思いますが）

過去にとても楽しい旅行先があったら、それはまた行きたくなったりするものです。

筋トレが趣味で毎日筋トレしている人が、その日はしなかったら気持ち悪くなるものです。

自分に必要なものは欲するようになるという、人間は不思議なものです。
勉強に関する知識のつけ方も同じように、そのときの自分に本当に必要な知識を得る作業は楽しいといいます。

たしかに、私は音楽系の知識（音楽史）は基本的に勉強になると思いますが、これは音楽史を見ててもとても楽しいです。

嫌いな分野ならそれは勉強はやらなくていい。

本の中では自分が本当に楽しいと思って、本当に知りたいと思うことだけ学ぶようにしようとも言っています。

これら原理原則だとは思います。

しかし現実問題、社会は厳しいものです。

楽しいことだけやっていけるのなら苦労はしないという方も多いでしょう。

それも事実だと思います。

楽しいこともあれば苦労することもある。

これが人間として生きることだと思います。

なんだか昔の総理大臣のような言葉になってしまいましたが、

大事なのは、そうした理想的を目指しつつも、理想と現実の狭間でどおりにいかないときも、なんとか凌いでいくという考え方です。

自分の場合にはそうは思わないのですが、

そもそもなにかを調べたりするのを楽しいと思うためには慣れが必要だといいます。

とりあえず「なにかを調べること」に慣れ、それを楽しいと思える感覚を身につけることが大切のようです。

とはいえ調べる内容はなんでもOKで、大切なのは調べるのが苦ではないような自分が興味を持てる内容を選ぶことだといいます

まずはじめることが大事で、実践すること、そしてその一連の作業に慣れてしまうこと。

それが勉強を楽しむ第一歩だと筆者はいいます。

過去、20代では本を読むことはあまりなく、当時本を読んだとしても読む速度もとても遅かったです。

しかし、不思議と人間やればできるもののようで、今こうして毎日本を読みブログを書けているのは、一つのブログを書き上げるのにいかに早く迅速、そして要点を掴んだものを書けるか、ということを念頭に色々試してきましたが、ようやく最近自分のやり方を見つけられたからだと思います。

今思い返すと、勉強に限らず、やらなければいけないことを進んでできたものは、本でいう３つのことが何かしら関連して動いていることが多かったと思います。

仕事に置き換えても１日の大半を過ごすことをいかに楽しめるかが重要だと思います。

知を得るということ