俺だけが知っている | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

番外編です。時間としては本編より少し未来のお話になります。

あ、とくにオチはありませんので・・・


     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆


きっかけはマ室長の何気ない一言だった。


「ミナムとミニョさんって顔だけ見たらホント区別つかないよなぁ。」


ミナムはジムに通いだいぶ筋肉がついてきた。ミニョもアフリカに行っている間に少し痩せたが、相変わらず顔はそっくりだった。


「そうだね、顔だけだったらそっくりだもんね。」


「確かに・・・同じメイクに同じ髪型したら区別つかないかもな。」


マ室長の言葉にジェルミとシヌも頷く。


「さすがのテギョンも判らないんじゃないか~?」


「俺がミニョとミナムを見間違える訳ないだろう。」


マ室長を睨みつけ、自信たっぷりのテギョン。


「よーし、それなら今度試してみよう。」




「さあ、どっちがミナムでどっちがミニョでショーの始まりでーす。」


合宿所の屋上。パーティーの余興として行われる、どっちがどっちかを当てるというもの。

ワン・コーディの協力の下、ミナムとミニョに全く同じ格好、同じメイクをさせ、顔だけ見て二人を判断するというもの。

身体つきを誤魔化す為にゆったりとした服を着せられ、同じメイク、同じヘアピースをつけたミナムとミニョが現れる。ミナムの喉仏を隠す為、首にはストールを巻いていた。

挑戦するのはテギョン、シヌ、マ室長と司会のジェルミ。


「二人とも声出しちゃダメだよ。」


ミナムとミニョの周りで挑戦者達が二人をじっと見つめる。

テギョンは二人に上を向け、下を向け、横を向けと指示を出し、色々な角度から二人の顔を見ていた。

皆で一度答えを出す度毎に、二人のヘアピースを変えたり、立ち位置を変えたりとした結果、五回やって五回とも正解したのはテギョン一人だった。




「オッパ、さすがですね。」


「当然だ。」


ミニョをマンションまで送って行く車の中、テギョンは得意げに鼻を鳴らす。


「でもどうして判るんですか?皆さん一回は間違えてたのに。」


「知りたいか?」


「はい、教えて下さい。」


「俺のしるしがつけてあるからな・・・ここに・・・」


テギョンはそう言うと、ミニョの顎に指をかけクイッと上を向かせた。


「ちょうど今俺の指のある辺りに俺のしるしがある。正面や横から見ただけでは見つけられないギリギリの場所・・・俺だけが知っている、俺のしるしだ。だいぶ薄くなってしまったから他の奴が見ても気づかないだろう。」


ニヤリと笑うテギョンにミニョは何のことだか判ったらしく、顔を真っ赤にさせると鏡で顎の下を見てみた。

・・・確かに少し赤い痕が・・・


「ど、何処につけてるんですか!」


「アフリカから帰って来た時、お前が怒るから・・・見えない場所にしたんじゃないか。苦労したんだぞ、いい場所を探すの。」


フフンと笑うテギョン。


「怒るのはあたり前です、あんな・・・カトリーヌさんに言われて吃驚したんですよ。・・・もう、すっごく恥ずかしかったんですから!」


更に顔を赤くするミニョを横目で見ながらテギョンは笑顔のまま。


「ほら、着いたぞ降りろ。お前を送る為に酒は飲んでないんだからな。」


「・・・はぁ、そうですね、それは感謝してますけど・・・で、何でついて来るんですか、部屋の中まで。」


ミニョの部屋の玄関で靴を脱ぎ、スリッパを履いてさっさと中へ入って行くテギョン。


「決まってるじゃないか、何の為に合宿所で飲まなかったと思ってる、ここで飲む為だろう。」


冷蔵庫を開け、中から何本か缶を取り出す。


「ここで飲んだら帰れないじゃないですか。」


「明日は午前中はオフだ、急いで帰る必要はない。明日の朝帰れば十分だ・・・ほら、一緒に飲もう。」


テギョンは手にしたビールとカクテルの缶を高く揚げ、ミニョへ見せる。ミニョはテギョンの手を見て一瞬心が躍った。

『一緒に飲もう』 ・・・そんな魅力的な言葉に逆らえる筈もなく・・・


「もう・・・しょうがないですね。」


軽くため息をつきながらも嬉しそうなミニョを見て、テギョンの頬も緩む。

互いにグラスへと注いで、グラス同士音を響かせるとそっと口をつける。


「飲み過ぎるなよ。」


「自分の家ですから、ちょっとくらい飲み過ぎても大丈夫です。」


「俺が大変だろう。」


「何とか自力でベッドまで行くように努力します。」


真面目な顔で胸の前で拳を握るミニョ。


― 大変の意味が違う・・・酔って甘える姿はあまりにも可愛くて・・・理性を保つのが大変だ・・・


とは言えないテギョン。理性云々と思いながらも、次は何処を俺だけが知っている場所にしようかと、頬が赤く染まりかけたミニョを見ながらグラスへと口をつけた。・・・ニヤリと笑いながら・・・



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「ミニョ・・・その首のキスマーク・・・気を付けなさい。」


「へ?」


― キスマーク?


ミニョがそっと手渡された鏡で自分の首のあたりを見ると・・・・・・



73話でテギョンの付けたキスマークを飛行機の中で注意されたミニョ。

アフリカから帰って来た時にテギョンに抗議していました。

直接本編の中では出てきませんでしたが、こんなやりとりがあったんですね。



オチを期待されていた方、スミマセン。ただ単に、二人のちょっとだけ甘い感じのお話が書きたかっただけです。

どこが甘い?と思われた方、スミマセン。私の中では甘い方に入るんです・・・



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