歩き始めると初めは空気の流れを感じて、少し気持ちがいい。最初の曲がり角を曲がった辺りから考え事をし始める。最近のことはあまりなくて、過去に誰かが言った言葉などを思い出す。あのときこう言えばよかったとか、その時の自分はどうしてあんなに高いモチベーションだったのかとか。
相当な時間が経っているのにそれを感じなくて、まるで机の上に広げたノートの見開き1ページに収まってしまうほど凝縮されている。
もしかして、次の1ページをめくれば、流れの速いの記憶の川彼方に消えて行ってしまうのだろうか。
今すぐに何かを立ち上げる予定もないので、心の中が昔の出来事を整理するモードになっているのだろう。新しい生活の形はまだ見えてこない。

