米肌 14日間トライアル潤い体感セット

 


20年前のあの日



雨の日はつらくなる

いつもの夜だったのに



まだ帰ってこないパパ

最近はますます帰りが遅い



子供たちを寝かしつけ

一人になり

二階の寝室から外をみていた


車のライトが見える

帰ってきた


車内のパパが暗がりでみえる

携帯をいじっている

まだ家に入ってこない


そんなこと

慣れたはずなのに

今日は苦しい

今日はダメだ



玄関で待つ


帰ってきたパパは驚いた様子


『もう離婚しましょう』

自分でも思いもしない言葉がでた


久しぶりにみる

パパの素の驚いた顔


『私もう限界です

彼女にも慰謝料請求はします

パパにもしっかり精算してもらいます』


離婚したくないのに

気持ちと裏腹にでる言葉

『明日でいいだろう』

パパの言葉をさえぎり


『彼女をとるか

私たち家族をとるか

今すぐ決めてください』


返事はなく

無言で部屋へ行ったパパ


家族に決まってるだろ


そんな言葉を期待した

絶望と失望

心が限界


雨のなか

家を飛び出した



1人になりたい

こんな生活もうやだ

このまま消えてしまいたい

もう頑張れない



泣きながら裸足で

夜中の道を走った

雨の中

誰かに見られるとか考えられない

もう心が壊れてたと思う



『わかったから

もういいだろう』

腕をつかまれ

家に連れ戻された



パパは次の日から帰りがはやくなった

でも彼女と別れてないのはわかってる





20年前

私は一度死にました

20年たち

パパの隣にいる私



純粋にパパを愛して

尽くした私はもういない


20年前にパパと彼女に

心を殺されたから


私は愛する人を信じることが出来なくなった

悲しい人間になった