五輪のチケットは、取りづらい. 自分の国の応援をしようにも、チケットが手に入らないことにはどうしようもない. 体操やレスリングのようにある程度日程が読める場合はともかく、予想外に勝ち進んだりすると、いつ、どこでやるのかは直前までわからない. まして、日本から観戦に来るとなれば、飛行機のチケットや仕事など、いくつものハードルがある. でも、どの会場にいっても、日本の旗を掲げて応援している人はいる. どうやってここを「当てて」いるのか、不思議に思っていた. 先日の女子バレー準決勝、日本対ブラジル戦. スタンドでは、どうしても派手なパフォーマンスのブラジル勢が目立った. 時々起こる「ニッポン」コールも、彼らの歌や太鼓にかき消されてしまう. でも、迫力こそブラジルほどではないものの、熱い声援を送っている日本人がいた. 東京都八王子市の会社員小林幸子さん(42)は、友人5人と当日、ロンドンに着いたばかり. チケットはなく、「五輪の雰囲気を味わうだけでも」と、2泊だけの弾丸ツアーでやってきた. 最後はなでしこかバレーかで意見が割れ、直前まで迷ったものの、多数決で女子バレーに決定. mbt 通販 「チケット、なぜか買えちゃったんですよ」という. 「背の高いブラジルの選手に対して、技を見せてくれて、感動した. ブラジルの応援に押され気味でちょっと悔しかったけど、楽しかった」 ヨーロッパ各地からも来ているようだ. アムステルダム在住の山北寿美子さん(46)は、娘の沙緒里さん(18)と駆けつけた. 意外にすんなりチケットが取れ、陸上とバレーをはしご. 「周りの知り合いも、車とかで続々来ていますよ」 この情熱は、きっと選手たちにも届いているだろう. でも、興味深いのは、それだけではない. エアマックス 会場では、試合とは関係ない国の旗を掲げた人たちも多く見かける. 一番多いのはもちろん、開催国の英国だが、フランス、カナダといった国の国旗を見かけたりもする. 彼らは、国とは関係なく、いいプレーに惜しみなく拍手を送り、時には、応援が少ない方に加勢したりもする. 国という枠を超えてプレーをたたえ、楽しんでいる雰囲気は、とても気持ちがいい. スポーツっていいな、と思える空間だ. (仲村和代).