「悪い人ではない」と
私が彼をフォローすると、ある人は
「マーチが誰かを『悪い人だ』と言ったのを
聞いたことがない」と笑いました。
彼は、一生懸命で真面目。
几帳面な面もあるし優しいところもある。
面倒見が良い方でお世話好きです。
彼との出会いは、
私が講師、彼が受講生からでした。
彼はおそらく私より
10か20かもう少し年上で、
お仕事やその他でちょっと上の地位に
いらした方だと思います。
講師として、彼に試されるようなことも
幾度かありましたが、
対応できるものでしたし、
私はそれを笑ってやり過ごしていました。
熱心な受講生だとも思っていましたので、
あまり気にとめていませんでした。
私にとって彼は
年齢とか性別とか性格とか実力とか
全く関係なく、
受講生の一人でしかありませんでした。
彼の上達は早かったですし
よりレベルの高い講座へ出向き
試験合格&資格取得を目指して
努力をされていました。
私は応援もしていましたし
一緒に頑張ろうという気持ちも
持っていました。
決して綺麗事のつもりもなく
彼から学ぶところも多かったです。
しかし、彼はいつからか
感情的な言葉を
ところ構わず私にぶつけるようになりました。
意見の相違を話し合うことは
全く私にとって苦痛ではありませんでした。
互いに意見を言い合い認め合い
学びあっていると思っていました。
いつからか、もしくは最初から
彼は違ったようで、
周囲を不快にしてしまう事態になりました。
私が彼を断捨離しなかったのは、
人を断捨離するという発想がなかったことも
ありますが、彼は大切な仲間だと思っていたし
伝え方が理解されないだけで
話し合えばなんとかなると
思っていました。
彼なりに伝えたいことがあるのだと
思っていましたし、彼を嫌いにもなれず、
「どうせ俺のことなんて
みんな嫌いなんだ」と言った彼に
「大好き」だと伝えたこともありました。
実際に、私は、彼のように正直に
気持ちをぶつけてくれる相手を
簡単に嫌いになることはあまり無く、
周りがいうほど彼を問題視していませんでした。
更年期とか、
何か精神的に病むことがあったり
辛い思いがあったり、
彼にも何か抱えているものが
あるのだろうと思います。
たとえ彼を、もしくは彼に対する想いを
私が断捨離したとしても、
周囲の人に迷惑になっていたり
誰かが悲しんだり傷ついたりしていることは
無視できません。
「私は大丈夫だよ」
「彼も何か事情があるのよ」
「言い方は強いけど、優しい人だよ」
「より良くなったら良いね」
色んな言葉で
彼や、私と彼の関係、周囲を
フォローしているつもりです。
が、もしかすると彼は、
私泣いたり喚いたり怒ったり
してほしいのかもしれません。
それは難しいです

断捨離できないものも
いっぱいあります。
自分の居場所
仲間
人への優しさ(のつもり)
思いやり
自分への優しさ
自尊心
モラル
希望
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いっぱいある大切なものを
ちゃんと大切にしていきたいです。